◎軍とTPLFの戦闘は先週再開され、人道的停戦は破綻した。
2021年5月8日/エチオピア、北部ティグライ州の州都メケレ近く(Getty Images/AFP通信)

エチオピア北部ティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)は30日、政府が自分たちの領土を脅かすのであれば、北部の他の州に進出すると表明した。

軍とTPLFの戦闘は先週再開され、人道的停戦は破綻した。

ジャーナリストはティグライ州への立ち入りを禁じられているため、現地の状況を正確に把握することは困難である。また、州の携帯電話やインターネットサービスも不安定で、住民と連絡を取ることも難しいようだ。

AFP通信は情報筋の話を引用し、「TPLFはティグライ州境から南へ約50km、隣のアムハラ州、さらに南東のアファール州に進出した」と報じている。

TPLFのレダ(Getachew Reda)報道官は30日、オンライン記者会見で「我々は防衛ラインを形成し敵兵と戦いっているが、交渉にオープンである」と述べ、人道的停戦を破ったのはアハメド(Abiy Ahmed)首相だと非難した。

またレダ氏は「我々は防衛ラインを形成しながら前進し、敵兵を無力化している」と説明した。

レダ氏はAFP通信の質問に対し、「我々は政府が過ちを認め平和を懇願するのであれば交渉のテーブルに着くかもしれないが、戦闘を引き起こした政府にその考えはないように見える」と述べた。「我々は紛争の平和的解決を望みましたが、敵はそれを拒みました」

軍とTPLFの戦闘は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が隣国スーダンなどに逃亡したとされる。

軍は2020年11月末にティグライ州と周辺地域の大半をTPLFから奪取したが、TPLFは北部地域に拠点を置く他の反政府勢力と同盟を結んでティグライ国防軍(TDF)を結成。昨年6月の奇襲攻撃でティグライ州の支配権を取り戻した。

内戦が本格化した昨年末、TPLFの部隊はティグライ州に撤退し、その後政府も大規模攻撃を控えた。そして3月末、TPLFは政府が提案した「無期限の人道的停戦」に合意し、内戦はひとまず終結した。

政府はアフリカ連合(AU)仲介による和平交渉を求めているが、TPLFはAUの調停者に任命されたナイジェリアのオバサンジョ(Olusegun Obasanjo)元大統領とアハメド氏が緊密な関係にあると指摘し、これを拒否している。

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