◎国際社会は紛争当事者に即時停戦を求め、速やかに和平交渉を開始するよう促している。
2021年10月25日/エチオピア、北部ティグライ地域、国軍の兵士(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

エチオピア政府は18日、北部ティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)から同州の3つの町を奪還したと発表した。

政府は声明の中で、「北西部シャイア、南部のアラマタとコレムをTPLFから取り戻した」と説明した。

声明によると、エチオピア軍は市民を守るために「最大限の注意」を払ったという。また、奪還した町で市街戦は行われず、当局が人道支援団体と調整するとしている。

国際社会は紛争当事者に即時停戦を求め、速やかに和平交渉を開始するよう促している。アフリカ連合(AU)が仲介する和平交渉は今月初めに始まる予定だったが、技術的な問題で延期された。

この紛争は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。

軍とTPLFの戦闘は今年8月末に再開され、5カ月間維持された人道的停戦は破綻した。

TPLFは先月、AU仲介の和平交渉に応じる意思があると表明したが、エチオピア軍は隣国エリトリアの部隊と協調してティグライ州に攻撃を仕掛けているとみられる。

国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は17日、エチオピア北部の状況を「制御不能」と評し、当事者に即時停戦を強く呼びかけた。

ティグライ州と隣接するアムハラ州とアファール州でも食料危機が加速しており、人権団体は「子供を含む数百万人が飢餓の瀬戸際に立っている」と警告している。

エチオピア、北部ティグライ州の難民キャンプ(UNICEF)
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