◎ティグライ州に人道機関の支援物資が届いたのは約4カ月ぶり。
2022年2月21日/エチオピア、北部アファール州の世界食糧計画倉庫(AP通信)

世界食糧計画(WFP)は1日、食糧を積んだトラックがエチオピア内戦の舞台になったティグライ州に入ったと明らかにした。

同州に人道機関の支援物資が届いたのは約4カ月ぶり。

国連によると、ティグライ州の住民約600万人の9割が緊急の人道支援を必要としており、少なくとも毎日100台のトラックで食糧を輸送し続ける必要があるという。

エリオピア政府は先月末に「人道的停戦」を宣言し、敵対している反政府勢力ティグレ人民解放戦線(TPLF)はこれを受け入れた。

WFPはツイッターに、「トラックはエレプティに入り、500トン以上の食糧を飢餓の危機に直面しているコミュニティに届ける途中である」と投稿している。

エレプティはティグライ州の東に位置するアファール州の地区で、内戦の影響を受けた地域のひとつである。TPLFの戦闘員は昨年12月にこの地域に入ったと伝えられている。

WFPの報道官も31日、「トラック20台がTPLFの支配地域に入り、現在ティグライ州の州都メケレに向かっている」と報告していた。

TPLFは援助がティグライ州に届き始めたら、人道的停戦に基づき戦闘を停止すると述べている。

WFPの報道官は同州にトラックが入ったことを歓迎する一方、「肝心なことは困っている人たちに食糧を届ける人道的アクセスが保証されているかどうかだ」と強調した。

エチオピア政府は31日、WFPに可能な限り空路で物資を輸送するよう促した。

また政府の報道官は1日の声明でTPLFに、アファール州などの占領地から撤退するよう改めて要求した。

ここ数カ月、ティグライ州には食糧などの物資が空輸されていたが、この地域が必要としている物資のごく一部に過ぎなかった。同州内の銀行、電話回線、インターネットもすべて停止している。

国連人道問題調整事務所によると、いくつかの機関が物資、現金、燃料不足の影響で活動停止を余儀なくされたという。

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