◎ティグライ州は昨年11月に終結した2年に及ぶ内戦で荒廃し、そこで生活する市民推定600万人のうち500万人以上が人道支援に頼っている。
2021年5月5日/エチオピア、北部ティグライの州都メケレにある難民キャンプ(AP通信/Ben Curtis)

エチオピア政府は6日、同国北部ティグライ州で民族浄化が続いていると告発した国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)を非難した。

国営テレビは政府報道官の話しとして、「この組織は証拠を示しておらず、民族紛争を煽り、平和と和解の努力を壊そうとしている」と伝えている。

エチオピア軍と同州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)の紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~最大60万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃れたと推定されている。

政府とTPLFは昨年11月に和平協定を結び、復興に向けた取り組みを進めている。

国営テレビは次のように報じている。「この歪曲された誤解を招く報告書は平和的共存を損ない、民族間の対立を煽り、平和と和解に向けた国家の努力を妨害するものであり、断じて容認できません...」

中央政府はティグライ州への海外メディアの立ち入りを禁じており、現地の状況を確認することは不可能だ。

国連を含む人道機関やNGOはティグライ州を含む北部地域全体で食料が不足し、数十万人が飢餓に瀕していると警告している。

HRWは先週、和平協定締結後も、ティグライ州西部で民族浄化が続いているとする報告書を公表した。

HRWは複数の目撃者や情報提供者の話を基に報告書をまとめ、中央政府に対し「ティグライ西部における虐殺や深刻な権利侵害に関与した軍指揮官や役人を解任、調査し、訴追すべきである」と提言している。

またHRWは「2020年11月の紛争勃発以来、治安部隊はティグライ西部の住民に対する民族浄化キャンペーンを続け、戦争犯罪と人道に対する罪を犯した」と非難した。

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