◎オロモ解放軍(OLA)はエチオピアでテロ組織に指定されている。政府はこの組織が南部地方で少数民族を虐殺したと告発している。
反政府勢力「オロモ解放軍」の戦闘員(Getty Images)

エチオピアアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は28日、南部オロミア州に拠点を置く反政府勢力「オロモ解放軍(OLA)」との和平協議を進めていると発表した。

アビー氏は議会演説の中で「OLAとの協議は北部ティグライ州における和平協定を確実に履行する取り組みのひとつである」と語った。

またアビー氏はOLAとの紛争が平和的に解決することを望んでいると述べ、協議を主導する委員会を創設したと明らかにした。

それによると、政府はこれまでにOLA代表団と10回以上協議したという。

しかし、OLAの報道官は28日、AP通信の取材に対し、「首相の発言は時期尚早であり、現実と大きく異なっている」と批判した。

また報道官は「OLAは対話を促進する用意があるものの、和平を成し遂げるためには国際的な第三者の仲介が必要である」と強調。「政府との対話が前進する兆しは見える」とした。

OLAはエチオピアでテロ組織に指定されている。政府はこの組織が南部地方で少数民族を虐殺したと告発している。

昨年6月にOLAが関与したとされる攻撃では民間人200人以上が殺害されたと伝えられている。

OLAはこのような告発をすべて否定し、政府と複数の民兵が南部の民間人を攻撃していると非難している。国軍はOLAに対する空爆作戦を頻繁に決行し、多くの民間人が犠牲になっているとみられる。

オロミア州と北部ティグライ州の紛争は別ものだが、OLAとティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)は2021年末、政府の解体を目指す同盟「ティグライ国防軍(TDF)」を結成していた。

政府とTPLFは昨年11月に和平協定を結び、復興に向けた取り組みを進めている。政府はこの協定に基づき、先週TPLFをテロ組織の認定リストから除外した。

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