◎オロモ解放軍(OLA)は南部オロミア州に拠点を置き、テロ組織に指定されている。
反政府勢力「オロモ解放軍」の戦闘員(Getty Images)

エチオピア政府は23日、内戦で荒廃した地域の平和と安定を確立する取り組みの一環として、反政府勢力「オロモ解放軍(OLA)」との和平交渉を開始すると発表した。

OLAは南部オロミア州に拠点を置き、テロ組織に指定されている。

アビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は声明で、「OLAとの和平交渉は25日からタンザニアで始まる」と述べている。

OLAは24日の声明で交渉開始を歓迎し、「第三者の仲介と交渉の透明性を確保することを前提に協議を受け入れた」と明らかにした。

またOLAは「我々は唯一の実行可能な解決策である平和的対話を繰り返し呼びかけてきた」とし、「政府が同じ結論に達したことを嬉しく思う」と述べた。

アビイ氏もOLAも調停者が誰で、どの都市で、どのような形式で会談が行われるかは明言していない。

政府と北部ティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)は昨年11月に和平協定を結んだが、北部地域で一定の影響力を持つOLAは交渉に参加せず、新たな対立が生まれるという懸念が高まっていた。

OLAは武力闘争を放棄したオロモ解放戦線(OLF)と2018年に分裂して以来、政府と戦い続けている。

OLAの戦闘員数は数千人と推定され、近年、大幅に増加したと見積もられている。しかし、この問題に詳しい専門家は「OLAの戦力と武器で国軍に立ち向かうことは自殺行為に等しい」と指摘している。

オロミア州は政治闘争や領土問題など、複数の問題に振り回され、ひどく混乱している。

近年、オロミア州では最大民族オロモ人による民族浄化が繰り返され、特に西部の奥地で少数民族アムハラ人が攻撃の対象になっているとされる。

OLAはアビー政権がこれらの虐殺に組織的に関与したと非難しているが、アビー氏はこれを否定している。

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