◎エチオピアは過去40年で最悪の干ばつに直面している。
2021年5月8日/エチオピア、北部ティグライ州の難民キャンプ(Getty Images)

国際NGO「国境なき医師団(MSF)」は9日、エチオピア北部アファール州で干ばつが進み、この数週間で子供少なくとも35人が死亡したと発表した。

同国の政府は食料不足が深刻化し、一部地域で餓死者が出ているというメディアの報道を否定している。

MSFは声明の中で、「この8週間で少なくとも35人の子供が食料不足により死亡し、その3分の2以上が入院後48時間以内に死亡した」と述べている。「これは氷山の一角に過ぎません...」

エチオピアは過去40年で最悪の干ばつに直面している。

アファール州は隣のティグライ州で2020年11月に勃発した内戦に巻き込まれた。国連などによると、この地域の戦闘はティグライ州より数段激しかったという。

この地域で100万人以上が利用するドゥビティ(Dubti Hospital)病院の院長はAP通信のインタビューの中で、「治療を求める人の多くがティグライの紛争地域から逃げ出した人々です」と述べている。

「栄養失調や病気に苦しむ子供の数は右肩上がりで、死亡率も上昇しています。しかし、病棟に空きはなくテントも満杯の状態です。多くの患者が屋外で治療を受けています」

同国のアセファ(Fitsum Assefa)計画・開発相は6日、閣議の中で南部地域やソマリアの市民740万人が食料支援を必要としていると述べた。

またアセファ氏は「ティグライ州の約520万人、アファール州の60万人、アムハラ州の870万人も緊急の食料支援が必要であり、政府は国際機関などと協力して支援を進めている」と説明したが、人命の損失を否定し、支援を「大成功」と呼んだ。

アハメド(Abiy Ahmed)首相も同様の見解を示しており、「ソマリアを含む東アフリカの広い範囲で干ばつによる飢餓が発生し、子供や高齢者が命を落としている」と懸念を表明している。

国連は7日、エチオピア、ケニア、ソマリア、エリトリア、ジブチの少なくとも420万人(半数は子供)が飢餓に直面しているとし、国際社会に8億4700万ドルの支援を呼びかけた。「特にエチオピア、ケニア、ソマリアで栄養失調率が上昇しており、極めて憂慮すべき状況にあります...」

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