◎西アフリカ経済共同体(ECOWAS)の代表は、ギニアのアルファ・コンデ大統領を打倒した陸軍特殊部隊のママディ・ドゥンボウヤ大佐と会談し、速やかに文民政府を確立するよう圧力をかけた。
2021年9月10日/ギニア、首都コナクリ、ギニアのママディ・ドゥンボウヤ大佐(中央)は西アフリカ諸国経済共同体の代表と会談した(Sunday Alamba/AP通信)

9月10日、西アフリカ経済共同体(ECOWAS)の代表は、ギニアのアルファ・コンデ大統領を打倒した陸軍特殊部隊のママディ・ドゥンボウヤ大佐と会談し、速やかに文民政府を確立するよう圧力をかけた。

一方、アフリカ連合(AU)は10日の声明で、「AUの活動と意思決定機関からギニアを除外した」と発表した。

ドゥンボウヤ大佐率いるクーデター軍は5日にコンデ大統領を拘束し、数週間以内に新しい連合政府を形成すると約束した。

ECOWASは軍事クーデターが発生した時点でギニアの一時除外を発表していた。

ガーナ、ナイジェリア、トーゴ、ブルキナファソの外相を含むECOWAS委員会の調停者たちは10日、ギニアの首都コナクリのホテルでドゥンボウヤ大佐と会談した。

現地メディアによると、ドゥムボウヤ大佐は取材に応じなかったという。会談の詳細は明らかにされていないが、ECOWAS委員会は文民政府に戻る時期に焦点を合わせていたと伝えられている。

ブルキナファソのアルファ・バリー外相は記者団に対し、「調停者たちはそれぞれの大統領に会談の内容を報告する」と述べた。また、ECOWAS委員会は特殊部隊の本部で拘束されているコンデ大統領と会うことができたという。

バリー外相は、「ECOWAS委員会はガーナの首都アクラに戻り、協議を継続する」と述べた。

ECOWASは軍事クーデター発生直後、軍当局者にコンデ大統領と政府関係者の安全を確保するよう要請していた。コンデ大統領は医療へのアクセスを許可されており、現時点で体調に異常はないと伝えられている。

ドゥンボウヤ大佐はコンデ政権の汚職を非難し、国民は貧しい生活を強制されていると主張した。ギニアのGDPはボーキサイト、金、ダイヤモンドを含む豊富な鉱物資源のおかげで順調に成長しているが、人口の45~50%が貧困ライン以下の極貧生活を余儀なくされている。

ドゥンボウヤ大佐は自分を愛国者として描写し、貧しい人々のために権力を握ったと述べた。しかし、一部の専門家は、軍の給与を削減するというコンデ大統領の提案の影響で緊張が高まり、軍事クーデターに発展したと主張している。

軍事政権は国の資産と利益を確保するために、すべての政府口座(個人含む)を凍結するよう中央銀行に命じた。

これにより、すべての省庁、大統領府、行政および商業施設に関連するプロジェクトの銀行口座なども一時的に凍結された。なお、大統領直轄のプロジェクト、政府の高官、州の上級公務員、管理者、金融当局の口座もすべて凍結されている。

2010年の大統領選挙で初当選を果たしたコンデ大統領は昨年、大統領の任期を5年から6年に変更し、任期制限をリセットする憲法改正国民投票を実施し、その後の大統領選挙で3期目の当選を果たした。

反対派勢力は憲法改正国民投票に反対する抗議デモを決行し、大統領選挙でコンデ大統領の3期目が決まるとデモは暴動に発展した。暴動の死亡者数は数十人と伝えられている。

2021年9月5日/ギニア、首都コナクリ、アルファ・コンデ大統領は軍当局に捉えられたと伝えられている(Getty Images/AFP通信)
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