コンゴ・エボラ流行、東部地域で飢餓リスク高まる、国連WFPが警告
WFPによると、エボラ流行の中心地である北東部イトゥリ州を含む東部地域では、長年続く武装勢力との紛争や住民避難の影響で、もともと食料事情が悪化していた。
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コンゴ民主共和国東部における「エボラ出血熱」の流行が、同地域の食料不足をさらに悪化させている。国連世界食糧計画(WFP)のスカウ(Carl Skau)副事務局長は29日、感染拡大を防ぐための移動制限や市場機能の停滞により、多くの住民が十分な食料を確保できない状況に陥っているとして、国際社会に追加支援を呼びかけた。
WFPによると、エボラ流行の中心地である北東部イトゥリ州を含む東部地域では、長年続く武装勢力との紛争や住民避難の影響で、もともと食料事情が悪化していた。現在、同州だけで約190万人が食料危機に直面しており、エボラの影響を受ける48の保健区域全体では約270万人が急性の食料不安に苦しんでいる。このうち約62万8000人は、生命や健康に重大な影響を及ぼしかねない「緊急段階」にあるとされる。
感染拡大を抑えるため国境や道路の一部が閉鎖され、人や物資の移動が制限された結果、農産物の流通や市場取引が滞り、食料価格の上昇や供給不足が進行している。治安の悪化も重なり、多くの農家は畑へ行くことすらできず、収穫や作付けを断念せざるを得ない状況が続く。十分な食事を取れない子どもが増え、栄養失調の患者がエボラ治療施設でも確認されるなど、感染症と飢餓が相互に悪影響を及ぼす「複合危機」の様相を呈している。
今回の流行は5月中旬に確認され、承認済みのワクチンや特効薬がないエボラウイルス「ブンディブギョ株」の感染が広がっている。感染者数は3200人に達し、死者も1400人を超えるなど、コンゴ史上最悪のエボラ流行となっている。
武装勢力による暴力や医療施設への攻撃、住民の不信感などが封じ込めを難しくしており、保健当局は実際の感染規模が公式統計を大きく上回る可能性も指摘している。
WFPはこれまでに感染地域で16万食以上の温かい食事を提供し、隔離措置を受ける家族や医療従事者への食料支援を進めてきた。しかし、支援資金が不足し、十分な食料を確保できなければ住民が食料を求めて移動を続け、感染拡大のリスクがさらに高まる恐れがあるという。
国連は感染対策と食料支援を一体的に進めることが流行の抑制と地域の安定に不可欠だとして、各国政府や国際機関に迅速な資金拠出と人道支援の強化を求めている。
