◎北キブ州郊外の村で女性5人、子供2人、男性1人が切り殺された。
2022年11月15日/コンゴ民主共和国、東部の北キブ州郊外、州都ゴマに避難する人々(Moses Sawasawa/AP通信)

コンゴ民主共和国の東部・北キブ州の集落で子供2人を含む8人が武装勢力に殺害された。現地メディアが5日に報じた。

AFP通信は赤十字関係者の話しとして、「北キブ州郊外の村で女性5人、子供2人、男性1人が切り殺された」と伝えている。

それによると、死亡した8人のうち4人が斧で切り殺され、遺体は集落の外れにある穴に投げ込まれていたという。

AP通信は情報筋の話を引用し、事件が起きた集落の近くで4日夕方に武装勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘員が目撃されたと報じている。

現場を確認したという自治体の職員はAFPの取材に対し、「M23が村に侵入し、住民を虐殺したことは明らかだ」と語った。

しかし、M23の報道官は5日遅くの声明で「住民を虐殺したのは国軍だ」と主張した。「北キブ州の集落を襲ったのはチセケディ(Felix Tshisekedi)大統領率いる国軍であり、今すぐ刑事告訴すべきだ」

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられ、州都ゴマ近郊まで支配地域を拡大したと伝えられている。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は先月公表したレポートの中で、「M23によるおぞましい殺人とレイプはルワンダ軍の支援により強化されている」と断言した。

国連も昨年末、M23が北キブ州郊外の集落で同年11月に住民170人を殺害したと非難した。

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