◎事件は首都キンシャサの南方約370kmに位置する集落で11日に発生。銃やナタで武装した地元の民兵が市民を襲い、民家を数軒焼き払った。
2019年6月26日/コンゴ民主共和国、国軍の戦車と兵士(Melanie Gouby/AP通信)

コンゴ民主共和国・南西部で部族間抗争が発生し、少なくとも10人が死亡した。地元当局が12日、明らかにした。

それによると、事件は首都キンシャサの南方約370kmに位置する集落で11日に発生。銃やナタで武装した地元の民兵が市民を襲い、民家を数軒焼き払ったという。

AP通信は当局者の話しとして、「集落の住民数人から数十人が誘拐された」と伝えている。その後、地元当局が中央政府に支援を要請し、陸軍の小隊が対応に当たったようだ。

同国の南西部では複数の部族が土地の権利などをめぐっており、昨年6月頃から緊張が高まっていた。

地元メディアによると、11日の事件に関与したとされる民兵の指導者が逮捕され、キンシャサ近郊の拘置所に身柄を移されたという。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は最近公表したレポートの中で、「2022年6月~23年3月の間に南西部地域の抗争で死亡した市民は300人に達した」と報告している。

同国では現在、全土で大規模な紛争が進行中である。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は昨年だけで市民数十万人が国外もしくは国内の安全な場所に避難したと報告している。

同国の東部地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動しており、大量虐殺、拷問、レイプなどの凶悪犯罪が横行している。

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