◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
2022年6月5日/コンゴ民主共和国、北東部イトゥリ州の集落(Getty Images/AFP通信/Africanews)

コンゴ民主共和国の過激派が東部の集落を相次いで襲撃し、少なくとも44人を殺害した。地元当局が14日、明らかにした。

それによると、東部・北キブ州に拠点を置くイスラム国(ISIS)系組織「民主同盟軍(ADF)」は12日夜に郊外の集落を襲撃し、陸軍兵士を含む33人を処刑したという。

AP通信は州当局者の話しとして、「ADFは33人をヴィルンガ国立公園に連行し、処刑した」と伝えている。

さらにADFは14日、北東部イトゥリ州の集落を襲撃。住民11人を殺害した。

事件を目撃したという住民はAPの取材に対し、「陸軍に助けを求めたが、誰も来なかった」と語った。

北キブ州に駐留する陸軍の報道官によると、12日の事件に関与したADFの戦闘員6人を無力化したという。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

ADFは近年、活動を拡大・激化させており、コンゴ・ウガンダ連合軍の取り締まりをかいくぐり、北キブ州やイトゥリ州で民間人を虐殺している。

国連によると、昨年4月以降のADFの攻撃により、民間人500~1000人が殺害され、数百人が誘拐されたという。

米国務省は今年3月、ADFのリーダー、ムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に最大500万ドルの報奨金を出すと発表。同省はバルクを2021年に特別指定国際テロリストに、ADFをテロ組織に指定している。

コンゴ東部の紛争に巻き込まれ避難民になった市民は700万人近くに達した。国連はこれを「世界最大級の人道危機」と説明している。

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