◎国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)は26日、民間人500人以上が基地周辺に避難したため、食料や飲料水などを提供していると発表した。
コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ郊外の難民キャンプ(Getty Images)

コンゴ民主共和国当局は26日、東部の北キブ州で軍と反政府勢力の戦闘が激化していると報告した。

SNSでは反政府勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘員とみられる男たちが北キブ州郊外の町を占領したと祝う動画が拡散している。

政府はこの主張に関する声明を出していない。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。

コンゴとルワンダの首脳は昨年11月、アンゴラで会談し、M23に撤退を呼びかけた。

AP通信によると、M23は今月15日までに一部の占領地を解放すると約束したという。しかし、戦闘は北キブ州の広い範囲で続いているみられ、多くの住民が避難を余儀なくされている。

州政府によると、M23が新たに占領したと噂されている町は州都ゴマと周辺集落の中間に位置する交易の要衝だという。他のルートは戦闘の影響で封鎖されている。

この町の住民数百人が26日、ゴマ郊外の避難所に逃れた。

バチカンのフランシスコ教皇(Pope Francis)は来週、首都キンシャサを訪問する予定である。バチカン市国は東部への訪問も予定していたが、戦闘が続いているという報告を受け、これを取りやめた。

M23のメディア部門は26日、「政府軍が北キブ州の町や集落を攻撃した」と声明を投稿した。

M23は政府を非難し、「我々は新たな大量虐殺を阻止するために戦う」と主張した。

一方、ゴマに拠点を置く国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)は同日、民間人500人以上が基地周辺に避難したため、食料や飲料水などを提供していると発表した。

MONUSCOの報道官は声明で、「M23はすべての敵対行為を停止し、占領地域から撤退しなければならない」と非難した。

2022年5月28日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ郊外、コンゴ軍の兵士(Djaffar Sabiti/ロイター通信)
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