アフリカ・フォワード・サミット開幕、仏大統領が投資計画発表
マクロン氏は会議の中で、「フランスとアフリカは対等なパートナーである」と強調し、総額230億ユーロ(約4.26兆円)の投資計画を発表した。
とマクロン仏大統領(AP通信).jpg)
フランスとアフリカ諸国の関係強化を目的とする「アフリカ・フォワード・サミット」が11日、ケニアの首都ナイロビで開幕した。マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領と30カ国以上のアフリカ首脳が参加し、投資拡大や金融改革、人工知能(AI)分野での協力などを巡って議論した。フランスがこの種の首脳会議を英語圏のアフリカ国家で開催するのは初めてであり、西アフリカを中心に高まる反仏感情を受けた外交戦略の転換として注目されている。
マクロン氏は会議の中で、「フランスとアフリカは対等なパートナーである」と強調し、総額230億ユーロ(約4.26兆円)の投資計画を発表した。このうち140億ユーロをフランス企業、90億ユーロをアフリカ側投資家が拠出し、クリーンエネルギーやデジタル技術、AI、海運、農業分野などに充てるという。仏海運大手CMA CGMは、ケニアのモンバサ港ターミナル近代化のため7億ユーロを投資する方針を示した。会議には仏エネルギー大手トタルエナジーズや通信大手オレンジの幹部、ナイジェリア財界の実力者も参加した。
会議ではアフリカ諸国が抱える資金調達コストの高さも主要議題となった。ケニアのムダバディ(Wycliffe Musalia Mudavadi)外相は国際金融市場がアフリカを過度に「高リスク地域」と見なしていると批判し、「公平な信用評価」が必要だと訴えた。
アフリカ諸国は以前から、欧米の格付け会社による評価が投資を妨げ、借り入れ金利を押し上げていると不満を示している。アフリカ連合(AU)は独自の格付け機関設立も検討しており、今回の首脳会議ではアフリカ開発銀行(AfDB)など国際金融機関も交えて改革案が議論された。
フランスは近年、旧植民地であるアフリカ西部のマリやブルキナファソ、ニジェールなどで軍事政権との対立が深まり、駐留部隊の撤退を余儀なくされてきた。ロシア系民間軍事会社の進出もあり、サヘル地域での影響力低下が鮮明となっている。こうした中、フランスは比較的安定した東アフリカ諸国との関係強化を急いでいる。ケニアはフランスの植民地支配を受けた歴史がなく、マクロン政権は「新たなパートナーシップ」の象徴として位置付けている。
一方で、フランスの影響力回復が順調に進むかは不透明だ。ケニア政府は昨年、仏企業連合が主導していた高速道路拡張計画を中止し、中国企業に事業を委ねた経緯がある。中国は巨大インフラ投資を通じてアフリカで存在感を強めており、フランスや欧州諸国は競争を迫られている。今回の首脳会議はアフリカ市場を巡る国際的な主導権争いの一端を映し出す場ともなっている。
