アルカイダ系組織がマリ中部の集落襲撃、死傷者多数
攻撃は7日の午後4時ごろに始まったとされる。
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アフリカ西部・マリ共和国中部の2つの集落で武装勢力による襲撃が発生し、多数の死傷者が出た。地元当局が7日、明らかにした。
国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」が犯行声明を出し、親政府民兵を標的にしたと主張している。
攻撃は7日の午後4時ごろに始まったとされる。軍事政権の報道官は声明で、「卑劣かつ野蛮な襲撃だ」と非難した。一方で、正確な死傷者数は公表しておらず、「複数の住民が死亡し、多数が負傷した」と説明するにとどめた。ロイター通信は当局者の話しとして、「民兵や民間人を含めて、約50人が死亡した」と伝えている。
今回の襲撃はマリ国内で急速に悪化している治安情勢を改めて浮き彫りにした。JNIMは先月、トゥアレグ系分離主義勢力「アザワド解放戦線(FLA)」と連携し、国軍やロシア系武装組織「アフリカ軍団」に対して大規模攻撃を実施した。この攻撃は2012年以来最大規模とも評され、北部や中部の主要都市が武装勢力の支配下に置かれた。
マリでは2020年のクーデター以降、軍政が統治を続けている。軍政は「治安回復」を掲げて実権を掌握したが、サヘル地域に拠点を置くイスラム過激派の活動はむしろ拡大している。かつて治安維持を支援していたフランス軍や国連平和維持部隊は撤退し、現在はロシアとの軍事協力を強化している。しかし、武装勢力による攻撃は地方都市だけでなく首都バマコ周辺にも広がっており、軍政への不満も高まりつつある。
JNIMは最近、バマコに対する「部分封鎖」を宣言し、主要道路で検問や通行妨害を行っている。これにより物流が停滞し、周辺地域では食料不足や移動制限が深刻化している。AP通信によると、モロッコから果物を運搬していたトラック隊列が武装勢力に襲撃され、多数の民間人が足止め状態になっている。
さらに軍政側は内部協力者の存在を疑い、軍や政界への取り締まりを強化している。今月には軍政批判で知られる元閣僚が武装した男らに連行され、事実上の失踪状態となった。反政府勢力だけでなく、政権内部の緊張も高まっている。
サヘル地域では近年、イスラム過激派の活動が急拡大している。米外交問題評議会(CFR)によると、2024年の世界のテロ関連死者の半数以上がサヘル地域で発生した。マリはその中心地で、民族対立や貧困、気候変動による資源争いも武装勢力の拡大を後押ししている。
