◎政府報道官は「軍当局は乱闘に一切関与していない」と強調している。
2021年3月13日/コンゴ民主共和国の金鉱山労働者(Africanews/Moses Sawasawa/AP通信)

アフリカ中部、チャドの砂漠地帯で1週間前、金鉱山の労働者たちが衝突し、少なくとも100人が死亡した。

チャド政府の報道官によると、大乱闘は5月23日に発生したという。詳細は明らかにされていないが、アフリカニュースは政府当局者のコメントを引用し、「それは2人の労働者のありふれた喧嘩から始まった」と伝えている。

チャドの砂漠や山岳地帯には金鉱山が点在しており、その多くがリビア、ニジェール、スーダンなどの労働者を違法に雇い、密かに操業している。

政府報道官は30日の声明で、「大乱闘が発生した違法金鉱山は首都ンジャメナから1000kmほど離れた砂漠にあり、100~200の人命が失われた」と述べている。

また報道官は、「この地域の金鉱山はほとんど違法で、事故や殺人が相次いでいる」と説明した。「政府はこの地域に拠点を置く武装勢力に採掘を停止するよう命じました」

主要な反政府武装勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」や野党も多くの犠牲者が出たと報告している。同国の故イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は昨年、FACTとの戦闘中に戦死した。

政府報道官は「軍当局は乱闘に一切関与していない」と強調している。

一方、この地域に拠点を置く別の反政府武装勢力「CCMSR」は30日、「大量殺戮はチャド政府監視下の下で行われた」と声明を発表した。「政府はどうしても金が欲しいようだ。ここは無法地帯であり、今も西部劇のような争いが繰り広げられている。金があるから人が集まり、争いが起こる...」

この地域では2019年1月にもリビア系アラブ人と地元住民の喧嘩で数十人が死亡している。

チャドの金鉱山で働く近隣諸国の若者は自国の治安悪化や政治情勢にウンザリし、金で一儲けしたいと考え、武装勢力やギャングに加わり労働者として働くのである。

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