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チャド大統領、マスラ前首相に恩赦、扇動罪などで禁固20年

マスラ氏は野党勢力を率いる有力政治家で、2024年5月の大統領選でデビ氏と対決した。
2025年8月9日/チャド、ロゴネ・オクシデンタル州、支持者に手を振るマスラ前首相(Getty Images/AFP通信)

アフリカ西部・チャドのデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領は14日、野党指導者のマスラ(Succès Masra)前首相を赦免すると発表した。マスラ氏は昨年、暴力扇動と殺人への共謀罪で20年の禁錮刑を受け、1年以上にわたり収監されていた。大統領府によると、司法省が必要な手続きを終えた後、数日以内に釈放される見通しだ。

マスラ氏は野党勢力を率いる有力政治家で、2024年5月の大統領選でデビ氏と対決した。この選挙ではデビ氏が61.3%を獲得、マスラ氏は18.5%にとどまったが、マスラ氏側は結果を認めず、自らが勝利したと主張した。マスラ氏はその後、デビ政権に抗議する反対勢力の指導者となった。

マスラ氏は2025年5月、南西部で発生した暴力事件を巡り逮捕された。当局は同氏が暴力を扇動する人種差別的、外国人排斥的なメッセージを拡散したなどとして起訴し、同年8月に禁錮20年と罰金10億CFAフランを言い渡した。人権活動家らは、この裁判を政治的動機に基づくものと批判していた。

今回の恩赦ではマスラ氏だけでなく、ほかの野党関係者8人も対象となる。大統領府は9人について、恩赦によって拘禁刑は免除されるものの、民事上の罰則は残ると説明した。

デビ氏はこの決定に先立ち、国家の統一、平和、和解を促すため、複数の受刑者を釈放する方針を示していた。主要な政敵を含む野党関係者の釈放はチャドの政治対立を緩和する動きとなる可能性がある。今後はマスラ氏が政治活動を再開するのか、恩赦が政府と野党の対話につながるのかが焦点となる。

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