◎武装集団はナイジェリア国境近くの集落を25日と26日に襲った。
2016年7月7日/カメルーン、首都ヤウンデ近郊、カメルーン軍の兵士(Getty Images/AFP通信)

カメルーン当局は28日、分離主義勢力と思われる武装集団が西部アクワヤ(Akwaya)の農村を襲撃し、少なくとも30人を殺害したと明らかにした。

AP通信によると、武装集団はナイジェリア国境近くの集落を25日と26日に襲ったという。

集落の酋長はAP通信の取材に対し、「生存者は地元の医療機関で治療を受けている」と語った。

また酋長は分離主義者との和平交渉を計画していたと明らかにした。「私たちはこの問題(分離主義者との紛争)を終わらせるために和平交渉を計画していたのです。しかし、この不幸な事件が起こり、子ども、女性、男性、老人を含む少なくとも30人が虐殺されました」

AP通信によると、武装集団は集落に火を放ち、人々をナタや斧で殺害したという。酋長は政府に軍事基地を近くに設置してほしいと要請した。

カメルーンで活動する分離主義勢力はテロ攻撃に関与したという政府やメディアの主張を否定し、ナイジェリアで活動するイスラム過激派組織や反政府勢力の犯行と主張している。

攻撃を受けた集落の酋長は数百人がナイジェリア国境近くの安全地帯に避難したと述べた。

また酋長は「犠牲者にはカメルーンで働くナイジェリア人5人も含まれる」と説明した。一部の負傷者は設備の整ったナイジェリアの病院に搬送される途中で死亡したと伝えられている。

AP通信はアクワヤの自治体職員の話を引用し、「政府はアクワヤに部隊を配備する」と報じた。この自治体職員によると、地元の医療スタッフは集落に向かおうとしたが、警察に止められたという。

地元警察は、「武装集団はアクワヤにとどまっている可能性が高い」と警告している。

現地メディアによると、病院に搬送された負傷者のほとんどがナタや斧で切られ、銃創を負った人もいたという。

一部の重傷者はナイジェリアに搬送され治療を受けている模様。

北西部の英語圏で活動する分離主義勢力はその他のフランス語圏地域から疎外されていると主張し、英語圏の独立国家を樹立するために2016年から国軍と戦っている。

政府は市民に対する残虐行為の大半を分離主義勢力の犯行とみている。

国連によると、この分離独立紛争の死者は3300人を超え、75万人以上が避難を余儀なくされた。

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