◎ブルキナファソと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
ブルキナファソ軍のパトロール部隊(Getty Images)

ブルキナファソ軍政は28日、イスラム過激派による攻撃で陸軍の兵士少なくとも33人が死亡、12人が負傷したと発表した。

軍政の報道官によると、陸軍のパトロール部隊は27日に東部コンピエンガ県郊外で過激派の急襲を受けたという。

報道官は声明で「激しい銃撃戦が繰り広げられ、ジハード軍のテロリスト40人と兵士33人が死亡した」と述べている。

ブルキナと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。

ブルキナで2015年以降の紛争に巻き込まれ難民になった民間人は200~300万人と推定され、1万人以上が死亡したと考えられている。

市民は過激派の暴力に不満を募らせており、昨年は2度軍事クーデターが発生した。

9月のクーデターで旧軍政を追放し、世界最年少の大統領となったトラオレ(Ibrahim Traore)大尉は過激派に支配された領土を「征服」すると宣言したが、暴力の波に圧倒されているように見える。

一部の市民は治安部隊が道行く人を手当たり次第に殺害していると非難している。

軍政は治安部隊と民兵による超法規的殺人を容認している。

これに対し、過激派は自爆攻撃などで陸軍と民兵を押し返し、国土のおよそ4割を占領。そこで生活する市民数十万人から税金を取り立てている。

今月初めには北部地域をパトロールしていた部隊が過激派の攻撃を受け、兵士少なくとも40人が死亡、数十人が負傷した。

地元住民は治安部隊が北部の広い範囲で市民を虐殺していると非難している。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は今週民間人少なくとも150人が治安部隊の取り締まりに巻き込まれて殺害された可能性があると報告。徹底的かつ独立した調査を求めた。

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