「綿花を衣料品に」ベナンが原料輸出から国内加工への転換を加速
転換の中心となっているのが、2020年に官民連携で設立されたグロ・ジジベ工業団地(GDIZ)だ。
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西アフリカのベナンが、主要輸出品である「綿花」を原料のまま海外に輸出する経済から、国内で衣料品まで加工して付加価値を高める経済への転換を進めている。ベナンはアフリカ最大の綿花生産国で、2025~26年の生産量は115万俵に達した。綿花は長年、同国の主要な外貨獲得源であり、農村経済を支える重要な作物である。
転換の中心となっているのが、2020年に官民連携で設立されたグロ・ジジベ工業団地(GDIZ)だ。商業都市コトヌーから約45キロ離れた場所に位置し、綿花だけでなくパイナップルやカシューナッツなどの加工も手がける大規模な産業拠点となっている。
現在、年間約4万トンのベナン産綿花を加工し、700万~1000万着の衣料品を生産している。米国のポロ・アソシエーションやフランスの衣料品企業キアビ向けの商品も扱う。
ベナン政府は原綿の輸出を抑え、完成品の輸出を増やす政策を進めている。原料を輸出して海外で加工する従来型の産業構造では、雇用や利益の多くが国外に流れるため、国内で紡績や縫製まで行うことで、輸出額だけでなく雇用と所得の拡大を狙う。こうした取り組みもあり、経常収支赤字は2024年の国内総生産(GDP)比6.2%から2025年には5.7%へ縮小した。
綿花産業の恩恵は農村にも及ぶ。18万人以上の生産者が2206の協同組合に加入し、綿花産業は農村部で200万人以上の生活を直接、間接的に支えている。農家にとっては価格が安定し、市場が確保されていることも大きい。綿花収入を子どもの教育費や借金返済、バイクなどの購入に充てる農家もある。
一方、国内加工の拡大は大規模工場だけの話しではない。北部パラクーでは女性の織り手を雇用して伝統的な布を生産する企業も登場している。政府が掲げる「メイド・イン・ベナン」は綿花を農産物として売るだけでなく、衣料品や伝統織物として商品化することで、農村の雇用と国内産業を同時に育てる狙いを持つ。
ベナンは綿花生産国としての強みを維持しながら、原料輸出国から加工・製造国への転換を急いでいる。
