◎首脳会議は27日と28日に行われる予定。
2022年5月26日/赤道ギニア、首都マラボのAUサミット会場(UNIDEF/Getty Images)

アフリカ連合(AU)の理事会は26日、人道と政治危機について協議する臨時サミットに先立ち、赤道ギニアの首都マラボで会談した。

首脳会議は27日と28日に行われる予定。

AUのマハマト(Moussa Faki Mahamat)委員長は演説で、「アフリカ大陸を席巻するテロは財政、経済、国民の安全に大きな影響を与え、その範囲を広げている」と指摘した。

北アフリカのリビアでは小規模な紛争。西のマリやブルキナファソを中心とするサヘル地域ではイスラム過激派組織の暴力。東部ソマリアでは内戦。中央のコンゴ民主共和国では反政府勢力の暴力が拡大している。

27日の首脳会議は人道に焦点を当てる。

28日は違憲状態について協議する予定。AUはマリ、スーダン、ギニアの軍事クーデターを非難し、民主的な選挙と文民統制を確立するよう求めている。

マハマト委員長は、「クーデターは各国が20年間取り組んできた民主化プロセスの後退を意味する」と述べた。

またマハマト委員長は、「こうした違憲状態は関係国や近隣諸国に悪影響を与え、緊張を高める」とした。

アフリカニュースはAU当局者のコメントを引用し、「チャドの問題も議論される」と報じた。

チャドのイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)大統領は昨年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死し、その後、息子のマハマト・デビ(Mahamat Idriss Deby)将軍が後継者に指名された。

AU、EU、旧宗主国のフランスは軍事クーデターを非難する一方、チャドのデビ将軍については、18ヶ月以内に民主的な選挙を実施すると約束したため、支持を表明した。

しかし、チャドの野党と反政府勢力は民主的な選挙に先駆けてカタールで行われた国民対話をボイコットしたため、18カ月以内の選挙は難しくなった。

デビ将軍はボイコットを非難し、移行期間を1年半延長する可能性があると示唆している。

国連などによると、アフリカ大陸で緊急の人道支援を必要としている人は1億1300万人に達し、食料危機と飢餓を克服するためには数十億ドル必要だという。

AU首脳は27日の会議の中で国際社会に資金提供を呼び掛ける予定である。

2022年2月16日/フランス、パリのエリゼ宮殿、マクロン大統領とチャドのデビ暫定大統領(Francois Mori/AP通信)
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