「ハンタウイルス」発生のクルーズ船、カーボベルデ沖に到達、3人死亡
ハンタウイルスは主にネズミなどのげっ歯類の排泄物や唾液を介してヒトに感染するウイルスで、発症すると重い呼吸器障害や腎障害を引き起こすことがある。
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大西洋を航行中のクルーズ船で「ハンタウイルス」の集団発生が確認され、乗客3人が死亡する事態となり、各国当局が対応に追われている。
問題の船はオランダの運航会社が所有するクルーズ船「MVホンディウス(Hondius)号」で、南米アルゼンチンを出発し、南極や南大西洋の島々を巡る長期航海の途中だった。船内には乗客と乗員約150人が乗っている。航海中に原因不明の発熱や呼吸器症状を訴える乗客が相次ぎ、その後、死亡例が確認された。
最初の死者はオランダ人男性で、先月中旬、船内で体調を崩し、亡くなった。その後、同伴していた妻も体調が悪化し、南アフリカの病院で死亡が確認された。さらに別の乗客も症状を発症し死亡するなど、短期間で複数の死者が出たことから、感染症の集団発生が疑われる事態となった。
世界保健機関(WHO)によると、これまでに少なくとも1件のハンタウイルス感染が検査で確認され、さらに複数の疑い例が報告されている。重症患者の一部は南アフリカに搬送され集中治療を受けており、船内にも搬送が必要な患者が残されている。
MVホンディウスは4日、アフリカ西部・カーボベルデ沖に到達し、医療支援を求めたうえで寄港を要請したが、同国当局は公衆衛生上の懸念から上陸を許可していない。このため乗客らは船内で隔離状態に置かれ、衛生対策や健康観察が続けられている。医療チームが船に派遣されるなど支援は行われているものの、事態はなお流動的である。
ハンタウイルスは主にネズミなどのげっ歯類の排泄物や唾液を介してヒトに感染するウイルスで、発症すると重い呼吸器障害や腎障害を引き起こすことがある。致死率が高い一方、ヒトからヒトへの感染は一般的には起こりにくいとされているが、一部の型では限定的な感染例も報告されている。
今回のケースでは船内の環境におけるげっ歯類由来の汚染などが感染源の可能性として指摘されており、詳細な感染経路の解明が進められている。WHOは各国当局と連携し、ウイルスの遺伝子解析や接触者追跡を実施しながら、追加感染の防止に努めている。
現時点で一般社会への感染リスクは低いとされるが、閉鎖空間であるクルーズ船内で複数の死者が出たことから、国際的にも警戒が強まっている。乗客や乗員の安全確保とともに、下船や搬送の調整が今後の焦点となっている。
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