大西洋を航行中のクルーズ船で「ハンタウイルス」確認、3人死亡=WHO
世界保健機関(WHO)は3日、乗客のうち少なくとも3人が死亡し、ハンタウイルス感染が1例確認されたと発表した。
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大西洋を航行中のクルーズ船で「ハンタウイルス」によるものとみられる集団感染が確認され、国際的な警戒が強まっている。世界保健機関(WHO)は3日、乗客のうち少なくとも3人が死亡し、ハンタウイルス感染が1例確認されたと発表した。
それによると、計6人が体調不良を訴え、このうち3人が死亡、1人が南アフリカの医療機関で集中治療を受けている。残る複数の症例についても感染の可能性が調査されており、事態は依然として流動的である。
感染が発生したのは南米アルゼンチンからアフリカ西部・カーボベルデに向かっていたクルーズ船「MVホンディウス(Hondius)号」とみられ、船内には乗客乗員合わせて200人以上が乗っていた。WHOは船名を明らかにしていないが、複数のメディアが同船と報じた。
MVホンディウスはオランダのオーシャンワイド・エクスペディションズ(Oceanwide Expeditions)が運航する最先端の極地探検クルーズ船である。
WHOは現在、各国当局や船舶運航会社と連携し、症状のある乗客の医療搬送や、船内に残る乗客・乗員に対する健康リスク評価を進めている。また、ウイルスの詳細な検査や疫学調査、接触追跡なども並行して実施されている。
ハンタウイルスは主にネズミなどのげっ歯類の尿や排泄物を通じて人に感染するウイルスで、重症化すると肺症候群や出血熱を引き起こすことがある。致死率が高いことで知られるが、ヒトからヒトへの感染は極めてまれとされている。
今回の事例では、最初に発症した乗客が船内で死亡し、その後他の乗客にも症状が広がった可能性がある。死亡者の中には搬送後に医療機関で亡くなったケースも含まれており、感染経路や発症時期の特定が焦点となっている。
各国政府も対応を進めている。オランダ外務省は自国民2人の死亡を確認し、イギリス政府も自国民の患者の治療状況を注視している。国際的な移動を伴うクルーズ船での発生であることから、複数国にまたがる対応が求められている。
現時点で船内全体への大規模感染が広がっている証拠は確認されていないものの、密閉空間であるクルーズ船において感染症が発生した場合、拡大リスクは高い。WHOは乗客への医療支援を継続するとともに、追加症例の有無を監視している。
今回の事案はコロナパンデミック後もなお国際移動に伴う感染症リスクが存在することを改めて示した。特にクルーズ船のような密閉空間では迅速な対応が不可欠である。
