南アフリカで反移民デモ続く、ナイジェリア人が標的に
問題となっている抗議デモはプレトリアや最大都市ヨハネスブルグなどで発生し、不法移民の取り締まり強化や国外退去を求める声が上がっている。
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南アフリカで反移民デモが相次ぐ中、同国に滞在するナイジェリア人少なくとも130人が帰国を希望し、ナイジェリア政府が自主的な帰還支援に乗り出した。外務省が4日、明らかにしたもので、今後さらに希望者が増える可能性もある。
ナイジェリアのオジュク(Bianca Odumegwu-Ojukwu)外相は記者団に対し、「今回の帰還支援は強制ではなく、自発的な措置である」と説明した上で、南ア政府に対し強い懸念を伝えるため、同国の外交代表を呼び出したと述べた。背景には、外国人排斥の動きが再び強まっている現状がある。
問題となっている抗議デモはプレトリアや最大都市ヨハネスブルグなどで発生し、不法移民の取り締まり強化や国外退去を求める声が上がっている。デモ参加者の一部は外国人が雇用や治安、公共サービスに負担をかけていると主張しており、高い失業率に苦しむ国内経済への不満が背景にあるとみられる。一方で人権団体などは、移民が経済問題の「スケープゴート」にされていると批判している。
今回の一連の抗議デモで死傷者は確認されていないものの、過去には外国人を標的とする暴力や略奪が発生したこともあるため、緊張は根強い。実際、直近でも治安当局との衝突でナイジェリア人2人が死亡しており、ナイジェリア政府は調査と検視報告の提出を求めている。
南ア政府は排外的な暴力行為を非難し、取り締まりを強化する姿勢を示している。また両国の外相が電話会談を行い、不法移民問題の構造的課題や解決策について協議した。外交面では協力関係を維持しつつ、緊張の拡大を避ける狙いがある。
南アはアフリカ有数の経済規模を持ち、仕事や生活機会を求める移民が多く流入してきた。一方で失業率の高さや貧困問題が深刻で、外国人に対する反感が周期的に噴出している。こうした状況の中で、ナイジェリア人を含む外国人コミュニティはしばしば標的となってきた。
ナイジェリア政府は自国民の安全確保を最優先とし、在外公館を通じて現地当局と連携しながら対応を進めている。今回の帰還措置は緊急的な保護策として位置付けられるが、根本的には移民問題や経済格差といった構造的課題が解決されない限り、同様の緊張が再発する可能性が高い。
