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米墨の空港運用を巡る対立緩和、メキシコ側が対応約束

問題の発端はメキシコ側がメキシコシティの主要空港であるベニート・フアレス国際空港の発着枠(スロット)を制限し、米航空会社の運航機会が制約されたと米側が主張したことにある。
メキシコ、首都メキシコシティの国際空港(AP通信)

米国とメキシコの間で、首都メキシコシティの空港運用を巡る対立が緩和に向かう見通しとなった。米運輸省は5日、メキシコ政府が米航空会社の乗り入れを巡る懸念に対応することで合意したと発表し、2015年の航空協定の履行に向けて調整を進めることになった。

問題の発端はメキシコ側がメキシコシティの主要空港であるベニート・フアレス国際空港の発着枠(スロット)を制限し、米航空会社の運航機会が制約されたと米側が主張したことにある。米運輸省はこれを協定違反とみなし、対抗措置としてメキシコの航空会社による米国路線13便の認可を取り消すなどの制裁を科していた。

こうした緊張を受け、両国は数カ月にわたり協議を続けてきた。今回の合意では、メキシコ側が米航空会社に対し、公平かつ透明な形で発着枠の申請・運用機会を保障することを約束した。これにより、米側が問題視してきた競争環境の不均衡是正が図られる見通しである。

一方で、米国は制裁を即時解除する姿勢は示していない。ダフィー(Sean Duffy)運輸長官は声明で、「これは前進ではあるが、実際の行動が必要だ」と述べ、メキシコ側が行動を起こすまで、制裁措置を維持すると強調した。

メキシコ政府も声明で、航空協定の履行に向けた一連の措置に合意したとし、空港インフラへのアクセス改善や運航の選択肢拡大、物流の強化などを進めると説明した。また、両国の当局者で構成する作業部会を設置し、実施状況を監視・評価する仕組みも整備するとした。

この問題の背景には、メキシコシティの空港が慢性的な過密状態にあるという構造的課題がある。同空港は拡張余地が限られ、発着能力に制約があるため、スロット配分を巡る調整が摩擦に発展しやすい。

さらに、メキシコ政府は近年、貨物便の移転や発着数の制限など運用変更を進めており、これが米航空会社の不満を招いてきた。米側はこうした措置が自国企業に不利に働いていると批判し、協定順守を強く求めていた。

今回の合意は航空分野における両国関係の安定化に向けた一歩と位置づけられるが、実効性は今後の履行状況に左右される。特に、米国が制裁解除の条件として具体的な改善を求めていることから、メキシコ側がどこまで迅速に制度改革を進められるかが焦点となる。

航空需要の回復やFIFAワールドカップの開催を控え、両国間の空の往来は今後さらに重要性を増すとみられる。公平な競争環境の確保と空港運用の効率化を両立できるかが、北米航空市場の今後を左右する課題となっている。

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