◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による紛争は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割に相当する1500万~1800万人が飢餓に直面している。
2023年6月8日/スーダン、首都ハルツーム郊外の砂漠地帯、避難民キャンプ(AP通信)

内戦下のアフリカ北東部・スーダンで約1500万人が緊急の医療支援を必要としている。世界保健機関(WHO)が20日、明らかにした。

首都ハルツームの病院で治療を受けていた7歳の男児は比較的安全なポートスーダンに避難した後も、入院できずにいる。

男児の父親はAP通信の取材に対し、「どこの医療機関もベッドが足りず、半年経った今も入院できずにいる」と語った。

運よく診察を受けることができた人たちが全員助かるわけではない。医薬品の不足も問題になっている。

WHOによると、国内の医療機関の約80%が閉鎖され、医療サービスに対する需要が激増しているにもかかわらず、医薬品の備蓄や技術の面で課題が山積しているという。

特に抗生物質、鎮痛剤、酸素、血液はほとんどの病院で枯渇している。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による紛争は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割に相当する1500万~1800万人が飢餓に直面している。

ハルツームは真っ二つに切り裂かれ、数百万人が南スーダンなどに逃亡。国連や他の人道機関の難民キャンプに身を寄せている。

この内戦はロシアによるウクライナ侵攻とガザ紛争の影に隠れ、ほとんど注目を集めていない。

国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、内戦の犠牲者は確認できているだけで約1万5000人、避難民は820万人に達したという。

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