◎中国は米英豪の新しい安保枠組み「オーカス(AUKUS)」を厳しく非難している。
左2021年11月6日、ジョー・バイデン大統領/右2019年11月13日、習近平 国家主席(Alex Brandon/Eraldo Peres/AP通信)

11月11日、中国の習近平 国家主席はAPEC(アジア太平洋経済協力)仮想サミットの中で、インド太平洋地域の緊張を冷戦に発展させるべきではないと警告した。

中国は米英豪の新しい安保枠組み「オーカス(AUKUS)」を厳しく非難している。米英はオーストラリアに原子力潜水艦の技術を提供し、インド太平洋地域の安定に向けた取り組みを加速させることに合意した。

習 国家主席はニュージーランドが主催する仮想サミットに宛てたビデオメッセージの中で、「アジア太平洋にイデオロギー的な境界線を引く試みは失敗する」と述べ、米国を強くけん制した。「アジア太平洋に冷戦時代の対立と分裂を持ち込むことはできず、またそうすべきではありません...」

また習 国家主席は、この地域の貿易と投資の自由を継続することが重要と述べ、「中国はアジア太平洋の経済発展に弾みをつける改革を進め、この地域の自由に固執し続ける」と述べた。

インド太平洋地域の差し迫った課題は、コロナウイルスの感染拡大がもたらした様々な問題を解決することである。APEC加盟国の人口は約30億人、世界のGDPの約60%を占めている。

しかし、APEC加盟国の関係は台湾をめぐる西側諸国と中国の対立、米中・米ロの冷え切った関係などの影響でギクシャクしており、インド太平洋地域で進行中の様々な問題は関係国間の溝をさらに深める可能性がある。

中国は台湾と南シナ海の権利を主張し、軍事的圧力を強め、いくつかの紛争地域に人口の島を建設した。

中国と台湾は環太平洋パートナーシップ(TPP)への加入を申請しているが、中国は国の一部である台湾の入札を却下し、TPPへの加入を阻止すると誓っている。

APECの加盟国は今週、パンデミックからの回復、貿易、気候変動、不平等への取り組みで協力することに合意した。仮想首脳会談は12日に行われる予定。

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