コンゴ大統領が3期目の可能性に言及、野党猛反発
チセケディ氏は7日の記者会見で、憲法改正に関する質問に対し、「国民が望むなら3期目を受け入れる」と発言した。
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コンゴ民主共和国のチセケディ(Félix Tshisekedi)大統領が自身の「3期目」の可能性に言及し、さらに2028年に予定されている大統領選挙の延期もあり得るとの認識を示したことで波紋が広がっている。野党側は「独裁体制確立への布石だ」と強く反発しており、同国が再び政治危機へ向かうとの懸念も浮上している。
チセケディ氏は7日の記者会見で、憲法改正に関する質問に対し、「国民が望むなら3期目を受け入れる」と発言した。現在の憲法では、大統領任期は2期までに制限されている。しかし与党の一部議員らは近年、制度改革の必要性を訴え、憲法見直し論議が活発化していた。政府側は各界から改正案を募り、今後専門委員会が検討を進めるとしている。
これに対し、野党勢力は猛反発している。野党のルバヤ(André Claudel Lubaya)議員はチセケディ氏が東部地域の紛争を利用して権力維持を図っていると主張した。別の議員も「任期制限を無視すれば国家は深刻な混乱に陥る」と警告している。
特に波紋を広げているのが、チセケディ氏による「東部の治安が回復しなければ2028年の選挙を実施できない」との発言だ。東部地域では同国最大の反政府勢力「M23(3月23日運動)」を中心とした戦闘が続いており、2025年には北キブ州の州都ゴマや南キブ州ブカブが制圧されるなど、情勢が悪化している。国連によると、一連の戦闘により数千人が死亡し、700万人規模の避難民が発生している。
コンゴではカビラ(Joseph Kabila)前大統領が2016年に選挙を延期し、任期終了後も権力の座にとどまったことで深刻な政治危機が発生した。当時は大規模な抗議デモが起き、多数の死傷者が出たほか、国際社会からも強い批判を受けた。今回のチセケディ氏の発言は、その時代を想起させるものとして国内外で警戒感を呼んでいる。
また、アフリカ各国では近年、憲法改正による長期政権化の動きが相次いでいる。隣国コンゴ共和国ではサスヌゲソ(Denis Sassou Nguesso、82歳)大統領が憲法改正を経て長期政権を維持し、2026年の大統領選でも圧勝した。こうした流れの中で、コンゴ民主共和国でも民主主義制度の後退を懸念する声が強まっている。
一方で、政府側は「国家安定のための制度改革にすぎない」と説明している。東部紛争の長期化や経済停滞、鉱物資源管理を巡る問題など、同国は複数の課題を抱えており、政権側は強力な統治体制が必要だと主張する。だが、野党や市民団体は「民主主義の根幹である任期制限を崩せば、国家の不安定化を招く」と反発を強め、今後の憲法改正論議が国内政治の最大の焦点となりそうだ。
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