メキシコ2026年4月インフレ率4.45%、前月から鈍化
国家統計局INEGIが7日に発表したデータによると、4月のインフレ率は前年同月比4.45%増で、3月の4.59%から低下した。
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メキシコの2026年4月の消費者物価指数(CPI)が鈍化し、中央銀行による追加利下げ観測が強まっている。国家統計局INEGIが7日に発表したデータによると、4月のインフレ率は前年同月比4.45%増で、3月の4.59%から低下した。インフレ率が前月を下回るのは2025年12月以来で、市場予想もわずかに下回った。
食品やエネルギー価格を除いたコアインフレ率も4.26%となり、前月の4.31%から低下した。中銀が目標とする3%±1ポイントには依然届いていないものの、インフレ圧力が徐々に和らいでいることを示す結果となった。月間ベースでも物価上昇率は市場予想を下回っており、金融市場では追加利下げへの期待が高まっている。
中銀は2024年に金融緩和に転じたが、インフレ再加速への警戒から慎重姿勢を維持してきた。今年3月には政策金利を7.00%から6.75%へ引き下げたものの、その後は高止まりする物価を背景に追加利下げのタイミングが注目されていた。今回の統計を受け、市場では今月の金融政策会合で0.25ポイントの利下げが行われる可能性が高いとの見方が広がっている。
背景にはメキシコ経済の減速懸念がある。2026年第1四半期(1~3月)のGDPは前期比で0.8%縮小し、景気の勢いが弱まっている。輸出依存度の高いメキシコ経済は米国景気の減速や国際市場の不透明感の影響を受けやすい。加えて、中東情勢の緊迫化による原油価格の変動や金融市場の不安定化も重荷となっている。中銀にとっては、インフレ抑制と景気下支えの両立が難しい局面となっている。
ただし、今後の金融政策にはなお不透明要素も多い。中東情勢の悪化を背景に、世界的にエネルギー価格が上昇し、多くの中銀がインフレ再燃を警戒している。実際、イラン情勢を受けて各国中銀の利下げペースは鈍化している。原油価格の上昇は輸送費や食品価格にも波及しやすく、メキシコでも物価を押し上げる可能性がある。
また、メキシコ・ペソの為替動向も政策判断に影響を与える。利下げが進めばペソ安が進行し、輸入価格上昇を通じてインフレ圧力が再燃する恐れがある。一方で、高金利を維持すれば企業投資や個人消費をさらに冷やし、景気後退リスクが強まる。中銀は今後、物価と成長のバランスを慎重に見極めながら政策運営を迫られることになる。
市場関係者の間では、今月の利下げが金融緩和局面の「最終段階」になるとの見方も出ている。インフレ率は低下傾向にあるものの、依然として目標を上回っており、急速な利下げは難しいとの認識が広がっているためである。メキシコ経済は今後、世界経済の動向や原油価格、米国の金融政策など外部要因に大きく左右される状況が続きそうだ。
