ミャンマー軍政トップ、抵抗勢力との新たな和平協議を提案
この呼びかけは同氏が掲げる「就任後100日計画」の一環で、和平と安定、経済発展を優先課題とする方針の中で打ち出されたものである。
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ミャンマーの軍事政権トップであるフライン(Min Aung Hlaing)大統領が内戦の収束に向け、抵抗勢力に対し新たな和平協議を提案した。国営メディアが22日に報じた。それによると、この呼びかけは同氏が掲げる「就任後100日計画」の一環で、和平と安定、経済発展を優先課題とする方針の中で打ち出されたものである。
提案は2015年に締結された全国停戦合意(NCA)に参加している少数民族武装組織だけでなく、これまで合意に加わっていない勢力や、民主派が組織した人民防衛隊(PDF)にも対象を広げている。協議への参加期限は2026年7月末までとされ、幅広い勢力を交渉の枠組みに取り込む狙いがある。
しかし、この呼びかけに対し、主要な抵抗勢力は強く反発している。民主派が樹立した「国民統一政府(NUG)」や複数の武装組織は軍政の正統性を認めておらず、今回の提案についても「時間稼ぎに過ぎない」として拒否する姿勢を示した。特に一部の有力組織は軍の影響を排した連邦民主制の実現を優先するとし、現体制との対話には応じない構えを崩していない。
ミャンマーでは2021年、軍がクーデターで民主的に選ばれた政権を打倒して以降、内戦状態に陥った。軍と武装勢力に加え、市民による抵抗組織も各地で戦闘を展開し、国土の広範囲で統治が分断されている。近年の分析では軍の実効支配は国土の5~6割にとどまり、多くの地域で反政府勢力が統治を確立している。
軍政側は2025年以降、徴兵制度の導入や中国の仲介による一部停戦などを通じて戦況の立て直しを図ってきたが、全面的な和平には至っていない。こうした中での今回の提案は軍が政治的解決の糸口を模索していることを示す一方、実効性には疑問も残る。
フライン氏は今月、軍主導の選挙を経て大統領に就任したが、この選挙は野党排除や不正の疑いから国際社会の多くが正当性を認めていない。欧米諸国や国際機関は軍政への批判を強め、政治対話の前提として政治犯の解放や暴力の停止を求めている。
軍政は過去にも和平協議を呼びかけてきたが、進展は乏しく、むしろ空爆や地上戦の激化が続いてきた経緯がある。このため、抵抗勢力の間では今回の提案に対する不信感が根強い。
今回の和平提案は長期化する内戦の打開に向けた一歩と見ることもできるが、対話の前提となる政治的信頼が欠如している現状では、実際の交渉開始すら容易ではない。軍政の正統性をめぐる対立と、連邦制を求める少数民族の要求が交錯する中で、ミャンマーの和平プロセスは依然として不透明な状況にある。
