タイ当局、メタンフェタミン2.4トン押収、8人逮捕

警察は21日、違法薬物を密輸しようとした疑いで8人の男を逮捕した。
2025年6月23日/タイ、ラヨーン市、警察が押収した違法薬物と警察官(AP通信)

タイ南部ラヨーンにある桟橋付近の観光船から、国外に密輸される直前のメタンフェタミン約2.4トンが押収された。当局が23日、明らかにした。

それによると、警察は21日、違法薬物を密輸しようとした疑いで8人の男を逮捕したという。

薬物がどこで製造されたか、8人がどこに薬物を送ろうとしていたかは明らかになっていない。

メタンフェタミン(俗称メス、スピード、チョークなど)はアンフェタミンより依存性が強く、簡単に作ることができるため、ヘロインに取って代わり、東南アジア・中東・西欧で流行。最も入手しやすい薬物のひとつになった。

当局は23日の記者会見で、「今回押収した薬物が海外に密輸された場合、30億バーツ(約1.3億円)を超える価格で取引されると推定している」と述べた。

メタンフェタミンはコーンフラワーに偽装されたプラスチック袋に詰められていた。

当局は密輸に関与したとみられるバンとトラックも押収したとしている。

ペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相は声明で、当局の努力が摘発につながったと称賛。「政府はこれからも薬物対策を推し進めていく」と述べた。

国連薬物犯罪事務所(UNODC)は先月末、東南アジアにおけるメタンフェタミンを含む違法薬物の取引が急拡大し、今年の押収量が過去最高水準に達する見通しであると明らかにした。

タイでは昨年、約10億錠のメタンフェタミンが押収された。

ミャンマーでは軍事政権が発足した21年から23年にかけて、アヘンとメタンフェタミンの生産が急増。同国では現在も反体制派と軍政による戦闘が続いている。

メタンフェタミンの多くが「ゴールデントライアングル」から世界中に密輸されている。

ゴールデントライアングルはタイ、ミャンマー、ラオスの国境地帯の通称で、違法薬物の製造・取引の拠点になっている。

UNODCによると、昨年のメタンフェタミンの押収量は過去最高の236トン。23年比で24%増加した。

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