タイ政府、カンボジア国境でフェンス建設進める、昨年の武力衝突受け
完成したフェンスは延長約1.3キロで、鉄筋コンクリート製の壁に鋼製メッシュと有刺鉄線を組み合わせた構造となっている。
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タイ政府は2025年にカンボジアとの国境地帯で発生した武力衝突を受け、両国国境の一部でフェンスの建設を進めている。タイ軍は22日、東部チャンタブリー県のカンボジア国境で最初のフェンス設置が完成したと発表し、今後も地形や環境条件を踏まえながら建設区間を拡大する方針を示した。
完成したフェンスは延長約1.3キロで、鉄筋コンクリート製の壁に鋼製メッシュと有刺鉄線を組み合わせた構造となっている。タイ軍は小火器による攻撃にも耐え得る強度を備え、長期的な国境管理に対応できる施設だと説明している。
今後は同地区でさらに7キロ以上の建設を予定しており、全長約817キロに及ぶタイ・カンボジア国境のうち、建設が可能な区間について順次整備を検討する考えだ。
建設の背景には、2025年に発生した2度の大規模な国境衝突がある。7月には領有権を巡る緊張が軍事衝突に発展し、双方による砲撃や空爆で多数の死傷者が出た。戦闘は米国の仲介を受けて5日後に停止したものの、同年12月には再び約20日間にわたり戦闘が発生、双方はその後、停戦で合意した。一連の衝突では約150人が死亡、30万人余りが避難を余儀なくされた。
現在も国境地帯では両国軍が部隊を展開しており、緊張状態は完全には解消されていない。タイ軍の陸軍中将は記者団に対し、フェンス建設は領土拡張を目的としたものではなく、不法越境や武装勢力の侵入を防ぎ、国境地域の安全を確保するための措置だと強調した。また、自然環境や地形への影響を考慮し、建設可能な区間を慎重に選定すると説明した。
一方、カンボジア側はこれまで国境問題について国際法に基づく平和的解決を求める姿勢を示し、今回のフェンス建設が両国関係の新たな火種となる可能性も指摘されている。
タイとカンボジアは長年にわたり、一部国境線の画定や遺跡周辺の領有権を巡って対立を繰り返してきた。今回のフェンス整備は安全保障上の必要性を理由としているものの、国境管理のあり方を巡る両国の立場の違いが浮き彫りとなっている。
タイ政府はフェンスの整備によって将来的な武力衝突の抑止と国境警備の効率化を図りたい考えだ。専門家は、真の緊張緩和には外交対話の継続と信頼醸成が不可欠との見方を示している。
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