韓国政府、50万人の「ドローン戦士」育成へ、北朝鮮の脅威に対応
北朝鮮による核・ミサイル開発が進む中、韓国は人工知能(AI)や無人システムを活用した防衛体制への転換を急いでいる。
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韓国国防部は26日、無人機(ドローン)戦力の大幅な強化に向け、2030年までに50万人規模の「ドローン戦士(Drone Warriors)」を育成する計画を発表した。軍人だけでなく予備役や一般市民も対象に操縦訓練を実施し、偵察や監視、電子戦、災害対応など幅広い分野で無人機を運用できる人材を確保する方針である。北朝鮮による核・ミサイル開発が進む中、韓国は人工知能(AI)や無人システムを活用した防衛体制への転換を急いでいる。
計画では、正規軍に加え、予備役や大学、民間教育機関とも連携し、段階的に「ドローン操縦士」を養成する。受講者は小型偵察用ドローンから自律飛行機能を備えた機体まで幅広い機種の運用を学び、情報収集や目標識別、電子妨害への対応など実践的な技術を習得する。政府は民間のドローン産業とも協力し、教育用機材やシミュレーターの整備を進めるほか、平時には災害救助や森林火災の監視などにも活用できる体制を構築するとしている。
背景には、北朝鮮による無人機戦力の拡充がある。2022年には北朝鮮の無人機が韓国領空に侵入し、韓国軍の迎撃が十分に機能しなかったことが問題となった。北朝鮮は小型無人機や自爆型ドローンの開発を進めているとみられ、ウクライナ戦争などで実証された低コスト無人機の軍事的有効性も各国の防衛政策に大きな影響を与えている。韓国軍は従来の有人兵器だけでは対応が難しい新たな脅威に備える必要があると判断した。
韓国は近年、防衛力の近代化を加速させている。AIを活用した指揮統制システムの導入や無人偵察機の増強、ドローン対策用レーザー兵器の開発などを進めており、今回の人材育成計画もその一環と位置付けられる。政府は将来的に無人機と有人兵器を連携させる「有人・無人複合戦闘体制」の構築を目指し、大量の操縦士を確保することで有事の即応能力を高めたい考えである。また、国内のドローン関連産業の育成や技術革新にもつながるとの期待を示している。
一方で、50万人という目標については専門家の間でも実現性を疑問視する声がある。短期間で十分な技能を備えた操縦者を育成するには多額の予算や訓練施設、教官の確保が必要で、継続的な訓練や資格管理も課題となる。また、無人機技術は急速に進歩しており、自律飛行やAIによる制御が高度化する中で、人材育成の内容も柔軟に見直す必要がある。それでも韓国政府は、北朝鮮との軍事的緊張が続く厳しい安全保障環境の中で、無人機を中心とする新たな防衛力の整備は不可欠との立場を示し、ドローンを活用した防衛戦略の強化を進める方針である。
