シンガポール首相の年収、64%増の4億円超へ、閣僚給与も引き上げ
今回の改定が実施されれば、シンガポール首相は世界で最も高額な報酬を得る首脳となる。
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シンガポールのウォン(Lawrence Wong)首相は8日、閣僚など政治家の給与を10月15日から引き上げる方針を明らかにした。首相の年間給与は現在の220万シンガポールドル(2.67億円)から64%増の360万シンガポールドル(4.38億円)となる見通しだ。今回の改定が実施されれば、シンガポール首相は世界で最も高額な報酬を得る首脳となる。
閣僚についても大幅な給与改定が予定されている。現在、最も下位の閣僚の年間給与は約110万シンガポールドルだが、新制度では最大180万シンガポールドルまで引き上げられる。ただし、10月15日に一気に180万ドルとなるわけではなく、まず最大9%の一時的な増額を行い、その後は職責や業績に応じて調整する。任期終了時には、多くの閣僚が約135万シンガポールドルを得ると見込まれている。
シンガポール政府は高水準の政治家報酬について、民間企業などから優秀な人材を政治の世界に引き付けるとともに、汚職を防ぐ狙いがあると説明している。給与水準は国内の高所得者上位1000人を基準として算定されており、民間部門や公務員、司法関係者の給与が2012年以降上昇したことも今回の改定理由となった。
一方、給与引き上げには根強い議論がある。2025年のシンガポールの中央値賃金は月5775シンガポールドル(約70万円)で、政治家の報酬とは大きな差がある。ウォン氏も給与問題が国民にとって敏感なテーマであることを認め、今回増える自身の所得を今後5年間、慈善団体に寄付すると表明した。
閣僚給与は2012年に36%削減された後、2017年の見直しでは引き上げが見送られ、2023年に予定されていた再検討も経済情勢を理由と延期されていた。今回の改定を巡り、議会では9月11日に審議が行われる予定で、政治家の報酬と国民との所得格差をどう考えるかが焦点となる。
