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モルディブ・イタリア人ダイバー5人死亡、悪天候で捜索中断

事故は14日、中部のバア環礁周辺で発生した。
インド洋の島国モルディブのリゾート施設(AP通信)

インド洋の島国モルディブでイタリア人ダイバー5人が死亡した事故を巡り、捜索活動が15日、悪天候のため一時中断された。地元当局とイタリア政府は天候の回復を待って16日にも捜索を再開する方針を示している。

事故は14日、中部のバア環礁周辺で発生した。イタリア外務省によると、5人は水深約50メートルの海底洞窟を探索中に消息を絶った。モルディブでは一般的なレクリエーションダイビングの推奨深度は約30メートルとされており、今回の潜水はかなり危険度の高いものだったとみられる。

14日にダイビングインストラクターのベネデッティ(Gianluca Benedetti)さんの遺体が収容されたが、残る4人の行方は依然として分かっていない。現地の救助隊は海中洞窟内部の捜索を進めていたものの、高波や強風の影響で安全確保が困難となり、15日の捜索中止を決定した。現場周辺では風速が強まり、海流も不安定な状態が続いているという。

死亡した5人の中にはジェノバ大学の海洋生態学者とその娘が含まれている。いずれもダイビング経験が豊富だったとされ、イタリア国内では衝撃が広がっている。

イタリアのタヤーニ(Antonio Tajani)外相は15日、「悪天候によって捜索は中断されたが、同胞の遺体収容のために可能な限りの努力を尽くす」と述べた。イタリア政府はモルディブ当局と連携し、ダイバーの派遣や遺体搬送の準備を進めている。

事故当時、5人はダイビング船「デューク・オブ・ヨーク」に乗船していたグループの一員だった。ほかに約20人のイタリア人旅行者が同行していたが、全員無事が確認されている。現場では警察や沿岸警備隊に加え、赤十字やダイバー支援団体も捜索活動を支援している。

事故原因は昭らかになっていない。専門家の間では、深海での酸素中毒や洞窟内での視界不良、強い海流による混乱など複数の可能性が指摘されている。洞窟ダイビングは通常の潜水よりも危険性が高く、狭い空間で方向感覚を失うと脱出が極めて困難になる。

モルディブは世界有数のダイビング観光地として知られ、今回の事故は同国史上最悪規模のダイビング事故とみられている。地元警察は潜水計画や安全管理体制に問題がなかったか調査を進めている。

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