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コモロ政府、燃料価格の引き上げを凍結、抗議デモで死者

政府は今月初め、国際的な燃料供給の混乱や輸入コストの上昇を理由に、ディーゼル価格を約46%、ガソリン価格を約35%引き上げた。
2024年1月18日/コモロ、首都モロニの通り、大統領選の結果に抗議する市民(AP通信)
コモロ政府は16日、燃料価格の引き上げをめぐる抗議デモが全国に拡大し、死者が出たことを受け、ガソリンおよびディーゼル燃料の値上げ措置を一時停止すると発表した。インド洋に位置する同国では、燃料価格の上昇が生活必需品の価格高騰や交通機関の麻痺を引き起こし、各地で激しい抗議デモが発生していた。

報道によると、政府は今月初め、国際的な燃料供給の混乱や輸入コストの上昇を理由に、ディーゼル価格を約46%、ガソリン価格を約35%引き上げた。この措置に対し、運輸労働者や商人を中心に全国的なストライキが発生し、首都モロニを含む主要都市で交通機能がマヒし、学校や商業施設の多くも閉鎖に追い込まれた。

抗議デモは次第に激しさを増し、警察とデモ隊の衝突が各地で発生した。治安当局は一部地域で道路封鎖や放火行為への対応を行ったが、混乱は収束せず、複数の負傷者が報告された。さらに、衝突の中で少なくとも1人が死亡したことが明らかになり、事態は深刻化した。死者の発生は国民の怒りをさらに高め、政府への批判が強まる要因となった。

こうした状況を受け、政府は燃料価格の引き上げ措置が「社会的安定を損なう要因になっている」として一時停止する決定を下した。また政府は対話を通じて状況の沈静化を図る姿勢を示し、労働組合や関係団体との協議を継続するとしている。さらに、生活必需品の供給や交通網の正常化を優先課題とし、緊急的な経済対策の検討も進める方針である。

一方、抗議者側は値上げ撤回を強く求め、単なる一時停止では不十分だとして警戒感を崩していない。燃料価格は同国の輸送コストや食料価格に直結するため、今回の措置は国民生活に広範な影響を及ぼした。経済的に脆弱なコモロでは、補助金や財政余力が限られており、政府は価格安定と財政負担のバランスという難しい課題に直面している。

今回の騒動は燃料価格の変動が社会不安に直結する構造的問題を浮き彫りにした。政府がどのように信頼回復と経済安定を両立させるかが今後の焦点となる。

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