タイ・バンコクで貨物列車が路線バスに衝突、8人死亡
事故が起きたのは16日の午後3時40分ごろ。コンテナを積載した貨物列車が線路上に停止していた路線バスに衝突した。
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タイの首都バンコク中心部で16日、貨物列車がバスに衝突する事故が発生し、少なくとも8人が死亡、30人以上が負傷した。事故は空港鉄道「エアポート・レール・リンク」のマッカサン駅近くで発生、バスは衝突後に炎上した。現場は市中心部とスワンナプーム国際空港を結ぶ交通量の多い幹線道路沿いで、週末の市民や観光客に大きな衝撃を与えた。
事故が起きたのは16日の午後3時40分ごろ。コンテナを積載した貨物列車が線路上に停止していた路線バスに衝突した。バスは数十メートルにわたり引きずられ、周囲を走っていた車やオートバイにも接触した。その後、車両から火の手が上がり、炎は周辺車両にも燃え広がった。消防隊と救助隊が出動し、消火活動と負傷者救出を行ったが、バス車内で8人の死亡が確認された。
消防当局によると、負傷者は少なくとも32人に上り、一部は意識不明の重体だという。この事故で現場周辺の道路は一時通行止めとなり、渋滞が発生した。SNSには、炎上するバスや黒煙が立ち上る様子、救助隊員が負傷者を担架で運ぶ映像などが相次いで投稿された。目撃者の一人は「踏切の警報音は聞こえたが、遮断機が完全には下りていなかったように見えた」と証言している。
運輸省は声明で、初期調査として「渋滞によりバスが踏切内で身動きが取れなくなった可能性がある」と説明した。報道によると、踏切手前の信号が赤だったため車列が動かず、バスが線路上に停止し、そこに列車が突っ込んだとみられる。一方で、遮断機や警報装置に不具合がなかったかについても調査が進められている。首相府も声明を出し、関係当局に対して原因究明を指示した。
タイでは交通事故死亡率の高さが長年問題視されている。世界保健機関(WHO)によると、同国は東南アジアでも交通事故による死者数が多い国の一つで、鉄道踏切事故もたびたび発生している。今年1月にはナコンラチャシマ県で建設用クレーンが列車に落下し、30人以上が死亡する大事故も起きた。インフラ整備が進む一方で、安全管理や交通規制の不備が指摘されている。
今回の事故は都市部における交通渋滞と鉄道安全対策の脆弱さを改めて浮き彫りにした。バンコクでは鉄道網拡張が進められているが、踏切の多くが改修されずにいる。専門家は「交通量の多い都市部では立体交差化や監視システム強化が急務だ」と指摘しており、政府に対して抜本的な安全対策を求める声が高まっている。
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