リアーナはインドの抗議に関するツイートでインド政府高官を激怒させる

◎現在、何万もの農民が農産物の販売、価格設定、保管に関する規則を緩和する新しい農業法に抗議している。インドの農業を近代化したいナレンドラ・モディ首相は法改正の必要性を訴えているが、農業団体はそれを「死刑執行」と呼んだ。

◎リアーナ氏は1億人以上のフォロワーに対し、「なぜこの問題について話さないのですか？」とツイートし、CNNニュースのレポートを紹介した。

世界を代表するポップスターのひとりであるリアーナ氏は、2か月以上続いているインドの農業改革に対する抗議についてツイートし、多くのインド人を激怒させた。

何万もの農民が農産物の販売、価格設定、保管に関する規則を緩和する新しい農業法に抗議している。インドの農業を近代化したいナレンドラ・モディ首相は法改正の必要性を訴えているが、農業団体はそれを「死刑執行」と呼んだ。

現在、政府高官、インドの著名人、さらには外務省まで、リアーナ氏などの有名人の干渉を非難するよう促している。

インドの外務省は2月3日の声明で、「既得権益者が抗議活動に注目するよう促しており、残念に思う」と述べ、抗議活動に干渉する「外国の有名人」のソーシャルメディアへの投稿を非難した。

平和的な抗議はインド共和国記念日の1月26日に激しくなった。首都ニューデリーで抗議していた一部の農民が暴徒化し、トラクターでバリケードを破壊し、警察を打ち負かし、歴史遺産の赤い城を占拠した。一連の暴力で抗議者1名が死亡、数百人の警察官および何千人もの農民が負傷した。

抗議活動を主催する団体は暴徒化した農民を厳しく非難し、平和的に抗議を続けると述べた。

それ以来、当局はニューデリーの国境の外に集結した農民の侵入を防ぐ鋼のバリケードと鉄のスパイクを周囲に張り巡らせ、セキュリティを大幅に強化している。

リアーナ氏は1億人以上のフォロワーに対し、「なぜこの問題について話さないのですか？」とツイートし、CNNニュースのレポートを紹介した。

リアーナ氏のツイートにモディ派のインド人および一部の人権団体は憤慨し、政府高官も「有名人が暴力を容認している」と怒り出した。

気候活動家のグレタ・トゥーンバーグ氏、カマラ・ハリス副大統領の姪のミーナ・ハリス氏もリアーナ氏と同じように農民の抗議を支持し、嵐を巻き起こした。

一方、ボリウッドのスターやスポーツ選手の大半は抗議活動を静観しており、どちらかというと政府の方針に賛成している人が多い。彼らは「#IndiaAgainstPropaganda」「#IndiaTogether」を使用し、農業法に対する政府の立場を擁護したうえで、「外国人がインドの情勢に口をはさむべきではない」と主張した。

モディ首相（インド人民党：BJP）の支持者である女優のカンガナ・ラーナウト氏は、「彼らは農民ではなくインドを分裂させようとしているテロリストであるため、誰も抗議を話題にしません」とツイートした。

スブラマニヤム・ジャイシャンカール外相やアミット・シャー内務大臣を含むBJPの上級指導者たちもリアーナ氏やトゥーンバーグ氏のツイートに反応した。ある高官は、「有名人でもインドの統一を妨げることはできない」と述べた。

一方、野党党首のシャン・タルール議員は、政府の非民主的な行動によってインドのイメージは大きく損なわれ、指導者たちは発言する権利を踏みつけたことで世界に恥をさらしたと非難した。

タルール議員は、「インド政府が西洋の有名人の言葉に反応することはとても恥ずかしい」と述べた。

元財務相のＰ．チダンバラム氏も外務省の声明を「軽率な反応」と却下している。

政府は新しい農業法の施行を18カ月間停止すると農業団体に提案したが、農民たちは廃止を求めており、交渉は決裂した。

新しい農業法

・農産物の販売、価格、保管に関する規則を緩和する。

・農民たちは新しい法律が数十年前に設定されたルール（価格保障など）を脅かし、交渉力を弱め、小規模農家は大企業に押しつぶされると主張している。

・モディ首相はインドの農業を守ると訴えてきたが、農業改革は「死刑執行」と呼ばれ、脆弱な小規模農家の怒りを引き起こした。

・ほとんどの経済学者と専門家はインドの農業には改革が必要だと主張している。

・一部の専門家は、「法律を可決する前に団体に相談しなかった結果、混乱を招いた」と指摘した。