SHARE:

フィリピン上院、サラ副大統領の弾劾訴追3項目取り下げ、不明資産疑惑が焦点に

この弾劾裁判は7月に始まった。
2024年11月25日/フィリピン、ケソン、記者団の取材に応じるサラ・ドゥテルテ副大統領(ロイター通信)

フィリピンの議会上院は13日、弾劾裁判にかけられているサラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領を巡り、検察側が求めた訴追4項目のうち3項目の取り下げを認めた。公金の不正使用、贈賄、マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領らへの脅迫に関する訴追が対象となり、今後は説明のつかない資産を保有していたとする疑惑が主な審理対象となる。

司法委員会の議長であるルイストロ(Gerville Luistro)氏は記者会見で、これまでに提出した証拠は、サラ氏を罷免するのに十分な説得力を持つと主張。弾劾訴追を1項目に絞ることで、上院の審理を効率化し、争点を明確にできると説明した。今回の判断により、検察側が予定していた証人32人の証言も不要になるという。

残る訴追は、ドゥテルテ氏が資産や所得を適切に申告せず、説明できない財産を蓄積した疑いに関するものだ。検察側は、本人と夫に関係する事業上の利害関係も問題視している。これまでの審理では、資金の流れや資産状況を調べた政府関係者、銀行・保険会社の担当者、会計専門家らが証言してきた。

一方、サラ氏の弁護団は、訴追の取り下げは不公平だと反発した。検察はすでに取り下げ対象となった疑惑について公の場で証拠を示しており、弁護側がそれらに反論する機会を十分に得られなくなると主張している。サラ氏はこれまで、疑惑を否定し、弾劾手続きは政治的な動機に基づくものだと訴えてきた。

この弾劾裁判は7月に始まった。サラ氏とマルコス・ジュニア氏は2022年の選挙で勝利したが、その後、政治的対立が深まった。サラ氏は父親であるドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領が国際刑事裁判所(ICC)の捜査に関連して逮捕され、オランダに移送されたことについても、マルコス政権を批判している。

上院で有罪と判断されれば、サラ氏は公職から永久追放される可能性があり、2028年の大統領選にも影響する。今回の訴追整理で審理は絞り込まれたが、残る資産疑惑を巡る判断が、同氏の政治的将来を左右することになる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ