◎戦闘は南部バシラン島の集落で8日と9日に発生した。
フィリピン軍は10日、南部地域でイスラム系ゲリラと陸軍が衝突し少なくとも10人が死亡した事件について、和平協定を維持することでゲリラ側と合意したと発表した。
報道によると、戦闘はバシラン島の集落で8日と9日に発生したという。
政府とフィリピン最大のイスラム系反政府武装勢力「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」による緊急協議が行われ、双方は和平協定の維持と無期限の停戦に合意した。
政府は2014年にMILFと和平協定を結んだ。これにより、戦闘員数千人が生活支援と引き換えるに武器を捨て、社会復帰を果たした。この移行プロセスは2025年まで続く。
フィリピン軍によると、今回の戦闘で兵士3人が死亡、15人が負傷したという。
MILFの司令官は少なくとも7人が死亡、6人が負傷と報告している。
フィリピン軍の報道官は声明で、「対話で戦闘を止めることができた」と述べている。「双方に死傷者が出たことを遺憾に思います...」
フィリピン政府はMILFから分離したゲリラ組織「バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)」などの取り締まりを続けている。
軍は今年9月、バシラン島のゲリラ拠点を急襲し、戦闘員とその家族を集落から追い出したと報告されている。
このゲリラはMILFの元戦闘員とみられるが、詳細は不明。
軍当局はこの取り締まりについて、「ゲリラは政府とMILFが結んだ和平協定を無視し、島の集落に基地を設置した」と説明している。
ゲリラは「兵士は集落の民家を略奪し、子供や女性を痛めつけた」と主張したが、軍はこれを否定している。
地元メディアによると、バシラン島のゲリラとその家族は集落に戻ることを許可されたが、社会復帰を待つ間、武器を厳格に管理する必要があるという。基地を設置することもできない。
軍は声明の中で、「陸軍、警察、MILFで構成される監視チームをこの集落に設置する」としている。
MILFのゲリラ約4万人のおよそ半数が銃を置き、社会復帰することに同意した。その他の数千人は復帰を待つ間、銃を保持し続けている。
この復帰プロセスは政府から和平協定で約束した現金などを受け取っていないという不満の中で遅れている。
欧米諸国はフィリピンとMILFの間で長年行われてきた和平交渉の進展を歓迎していた。
しかし、南部では近年、国内で最も貧しく、開発が進まないいくつかの州に住む小規模なゲリラが活動を活発化させている。
これらのゲリラはフィリピン軍の厳しい取り締まりで勢いを失っているものの、警察や民間人への散発的な攻撃続けている。