◎北西部カイバル・パクトゥンクワ州の住民数百人は先週末、この中国人男性の逮捕を求める集会を開いた。
パキスタン、首都イスラマバードの最高裁判所(Getty Images)

パキスタンの裁判所は18日、イスラム教を侮辱したとされる中国人を勾留するよう命じた。

イスラム国家で予言者ムハンマド(Prophet Mohammed)やイスラム教の聖典コーランを冒涜することは死罪に当たる。パキスタンの刑法も冒とく罪の最高刑を死刑としているが、実際に刑が執行されたことはない。

北西部カイバル・パクトゥンクワ州の住民数百人は先週末、この中国人男性の逮捕を求める集会を開いた。この集会から数時間後、警察は男性を逮捕した。

この男性は水力ダム建設に関わる技術者のひとりで、建設現場で働くイスラム教徒の祈りの時間が長すぎると批判したとされる。

地元メディアによると、男性は無罪を主張したという。州地検の報道官は17日の声明で、「容疑者はイスラム教徒もムハンマドも侮辱したことは一度もないと反論している」と述べていた。

中国外交部の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は18日、イスラマバードの大使館が状況を確認していると述べた。

また汪氏は「中国政府は海外で生活する自国民に対し、常にその国の法律、規則、慣習や伝統を尊重するよう求めている」と強調した。

一部の地元メディアは「州警察は男性を暴徒から守るために逮捕した可能性がある」と報じている。

パキスタン警察は冒とく罪で多くのイスラム教徒・非イスラム教徒を逮捕しているが、外国人を逮捕することは滅多にない。

中部パンジャブ州のスポーツ用品工場で働いていたスリランカ人男性は2年前、ムハンマドを侮辱したとして暴徒に殺害された。暴徒は男性の遺体を公道で燃やした。

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