カナダ首相、アルバータ州の分離独立の是非問う住民投票に懸念
アルバータ州政府は先週、カナダからの分離独立の可能性について州民の意思を問う住民投票を、2026年10月に実施する方針を発表した。
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カナダのカーニー(Mark Carney)首相は25日、西部アルバータ州で計画されている分離独立を巡る住民投票について、「危険なブラフになり得る」と警告した。石油資源が豊富な同州では、連邦政府への不満を背景に独立論が高まっており、国家分裂への懸念が広がっている。
アルバータ州政府は先週、カナダからの分離独立の可能性について州民の意思を問う住民投票を、2026年10月に実施する方針を発表した。投票自体に法的拘束力はなく、可決された場合も直ちに独立につながるわけではない。ただし、将来的な正式独立投票に向けた政治的圧力となる可能性がある。
カーニー氏は記者団に対し、「こうした分離問題では、”まず賛成票を投じれば交渉力が強まる”と主張されることが多い。しかしそれは非常に危険なブラフだ」と述べた。さらに、「このような問いを国民に投げかけること自体が有益ではない」と強調し、州政府の対応に強い懸念を示した。
カーニー氏は2016年のイギリスのEU離脱、いわゆる「ブレグジット」を念頭に置いているとみられる。当時、カーニー氏はイングランド銀行(中銀)総裁として金融市場の混乱対応にあたった。今回、感情的な政治運動が長期的な国家不安定化につながる危険性を示唆した形だ。
アルバータ州では長年、連邦政府への不満が強い。特にトルドー前政権下で進められた環境規制や脱炭素政策に対し、州経済の柱である石油・ガス産業を圧迫しているとの反発が根強かった。独立支持派は「連邦政府が西部州を軽視している」と主張し、税収や資源管理権を州側に取り戻すべきだと訴えている。
一方、世論調査では依然として分離独立への支持は少数派にとどまる。調査会社アンガス・リードの最新調査では、約60%の州民がカナダ残留を支持し、正式な独立投票でも67%が反対すると回答した。
また、先住民団体も独立論に強く反発している。裁判所は今月、独立推進派による住民投票署名活動について、先住民との協議を欠いていたとして一部手続きを無効と判断した。判決では、「アルバータ州の独立は先住民との条約関係を根本的に損なう可能性がある」と指摘されている。
カーニー政権はアルバータ州との関係改善を図るため、石油パイプライン建設支援や環境規制緩和を進めている。しかし、地域間対立は根深く、今回の住民投票問題はカナダの国家統合を巡る新たな試練となっている。
