SHARE:

イスラエル極右閣僚、ネタニヤフ首相にレバノン首都への空爆再開求める

ヒズボラはこの数週間、南レバノンからイスラエル北部に向けてFPV型の自爆ドローン攻撃を繰り返している。
2024年10月21日/レバノン、首都ベイルート、イスラエル軍の空爆(ロイター通信)

イスラエルの極右閣僚らがレバノンの親イラン武装組織ヒズボラによるドローン攻撃への報復として、首都ベイルートへの空爆を再開するようネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に要求している。停戦合意後も続く限定的な交戦を巡り、イスラエル国内では強硬論が勢いを増しており、中東情勢の再激化への懸念が高まっている。

イスラエルのスモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相は25日、ヒズボラによる爆発物搭載ドローンによる攻撃でイスラエル兵1人が死亡したことを受け、「ヒズボラがドローン1機を飛ばすたびに、ベイルートの建物10棟を破壊すべきだ」と主張した。さらに、ベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相も「レバノンへの大規模攻撃を再開する時が来た」と述べ、ネタニヤフ政権に対してより強硬な軍事対応を求めた。

ヒズボラはこの数週間、南レバノンからイスラエル北部に向けてFPV型の自爆ドローン攻撃を繰り返している。これらのドローンは光ファイバー制御によって運用され、一部はイスラエル軍の防空システムを回避できるとされる。比較的低コストで運用可能なことから、ヒズボラは近年、ドローン戦力の強化を進めてきた。

イスラエルとヒズボラは今年3月、米イラン戦争を受け、本格的な戦闘を開始した。その後、米国仲介による停戦が4月に成立したものの、双方の攻撃は完全には止まっていない。イスラエル軍はレバノン南部への空爆を継続し、ヒズボラ側もロケット弾やドローンによる攻撃を断続的に行っている。

特にベイルートは今年3月にイスラエル軍が大規模空爆を実施して以降、戦争の象徴的な舞台となってきた。イスラエルはヒズボラの司令施設や兵器庫を標的にしていると説明する一方、レバノンは民間人被害の拡大を非難している。レバノン保健省によると、3月以降のイスラエル軍による攻撃で3000人以上が死亡したという。

一方、ネタニヤフ政権内でも対応を巡って温度差がある。軍幹部の一部は抑止力維持のため限定的な報復を支持しているとされるが、全面的なベイルート空爆には慎重論も存在する。米国がイランとの停戦協議を進める中、大規模攻撃が地域全体の緊張を再び高める可能性があるためだ。

イスラエル政府は同日、対ドローン技術開発に約20億シェケル(約1100億円)を投入する方針も明らかにした。ヒズボラの無人機攻撃が新たな脅威となる中、イスラエルは軍事的報復と防衛体制強化の両面で対応を迫られている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします