◎陸軍と警察の合同部隊が28日深夜の作戦で裁判官を救出した。
パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州スワート渓谷の集落(Getty Images)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で正体不明の武装集団に誘拐された裁判官が救出された。警察当局が29日、明らかにした。

それによると、陸軍と警察の合同部隊が28日深夜の作戦で裁判官を救出。それ以上の詳細は明らかになっていないが、裁判官の命に別条はないという。

この誘拐事件は同州デライスマイルカーン近郊の道路で27日夕方に発生。バイクに乗った15人ほどの男たちが裁判官を乗せた車に待ち伏せ攻撃を仕掛けた。運転手にケガはなかった。

犯行声明を出した組織は確認されていない。

捜査当局が28日に公開した映像には「TTP(パキスタンのタリバン運動)の要求を呑んでほしい」と語る裁判官の姿が映っていた。当局はこの映像の出自を明らかにしていない。

州警察の報道官は地元テレビ局の取材に対し、「陸軍と警察の合同部隊が28日深夜の作戦で裁判官を発見、救出した」と語った。

アフガニスタンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州ではテロ攻撃が相次いでおり、その多くにTTPが関与している。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。

デライスマイルカーンでは先週末にも銃撃事件があり、税関職員2人が死亡、3人が負傷している。

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