太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議、欠席相次ぐ中パラオで開幕
開催国パラオは地域の結束を維持しながら、太平洋地域の長期的な発展を目指す「2050年ブルーパシフィック大陸戦略」の推進を重視している。

太平洋地域の首脳が地域共通の課題を協議する「太平洋諸島フォーラム(PIF)」の年次首脳会議が8月31日、パラオで開幕した。今回の会議では、地域の結束や経済、気候変動、安全保障など幅広い問題が議題となる一方、複数の加盟国首脳が欠席する異例の展開となっている。
欠席するのはフィジー、バヌアツ、サモア、ソロモン諸島の首相やキリバスの大統領。各国では国内政治上の事情や日程、移動上の制約などが重なり、首脳の代わりに閣僚や政府高官が出席する形となった。特にソロモン諸島ではワレ(Matthew Wale)首相に対する不信任決議案が提出されたことを受け、首相が急きょ帰国して国内対応を優先する事態となった。
会議の開催国パラオは地域の結束を維持しながら、太平洋地域の長期的な発展を目指す「2050年ブルーパシフィック大陸戦略」の推進を重視している。今回の会議では、気候変動への対応に加え、生活費の上昇、インフラ投資、雇用創出など、太平洋島しょ国が直面する経済・社会問題についても議論される見通しだ。特に秋のCOP31(国連気候変動枠組み条約第31回締約国会議)を前に、気候変動対策で地域としてどのような共通方針を打ち出せるかが焦点となる。
一方、太平洋地域をめぐる安全保障環境も重要な論点となっている。中国による最近のミサイル実験を受け、地域では軍事・安全保障面での懸念が高まっており、米国、中国、日本、シンガポールなど域外国の関与も強まっている。
今回のフォーラムには米国のランドー(Christopher Thomas Landau)国務副長官や中国の特使らが参加するほか、台湾の外交部長も出席する。パラオが台湾と外交関係を維持していることから、中国と台湾をめぐる地政学的な緊張も会議の背景にある。
こうした状況から、今回のPIFは単なる地域協力の場にとどまらず、太平洋島しょ国が米中との関係をどう調整し、自らの地域的な結束をどこまで維持できるかを試す場となる。首脳の相次ぐ欠席が地域分断の兆候となるのか、それとも各国が国内事情を抱えながらも実務レベルで協力を継続できるのかが注目される。
