オーストラリア住宅価格、5カ月連続下落、主要都市にも広がる住宅市場の低迷
下落はこれまで上昇が目立っていた地域にも広がっている。
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オーストラリアの住宅価格が8月も下落し、住宅市場の低迷が一段と鮮明になっている。不動産調査会社Cotality(コタリティ)によると、2026年8月の全国住宅価格は前月比で0.9%下落した。7月も1.2%下落しており、これで5カ月連続のマイナスとなった。住宅価格は3月のピークから3.6%下落した一方、前年同月比では2.7%高い水準にある。
下落はこれまで上昇が目立っていた地域にも広がっている。シドニーの8月の住宅価格は前月比1.4%、メルボルンは1.1%下落したほか、ブリスベンも1.0%、パースも0.8%下落した。特にシドニーでは2月のピークから7.1%下落しており、オーストラリア準備銀行(中銀)が2022~23年に利上げを進めた際の調整局面で記録した6.6%の下落幅をすでに上回っている。
背景には住宅ローン金利の上昇やインフレ圧力、住宅投資家の需要減少などがある。中銀はインフレ抑制を目的に2026年に3回利上げを実施し、政策金利を4.35%まで引き上げている。さらに7月のインフレ率が市場予想を上回ったことで、追加利上げへの警戒感が強まっており、住宅市場にとっては金融環境がさらに厳しくなる可能性がある。
住宅価格の下落を加速させているのが取引量の低迷だ。過去3カ月間の住宅販売件数は前年同期比15.5%減で、売却までの期間も長期化している。売り手が価格を大きく引き下げるケースが増え、競売の成約率も低いことから、現在の市場は買い手優位の状況にある。ただし、買い手側も価格下落への警戒から積極的に購入する姿勢を示しておらず、取引が成立しにくい状態となっている。
住宅市場の低迷は不動産業界だけの問題にとどまらない。不動産仲介、建設、職人など住宅関連産業は幅広く経済と結びついており、取引の減少が長期化すれば景気にも波及する可能性がある。投資家需要も最近の税制変更によって冷え込み、住宅市場が反転するまでには時間を要する可能性が高い。
