北朝鮮・金正恩、ロシアの対独戦勝に合わせて祝電=国営メディア
北とロシアの急接近は東アジアの安全保障環境にも大きな影響を与えている。
と北朝鮮の金正恩-党総書記(ロイター通信).jpg)
北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)総書記がロシアの対ナチス・ドイツ戦勝記念日に合わせてプーチン(Vladimir Putin)大統領に祝電を送り、ロシアとの関係を「最優先事項」と位置付ける考えを表明した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が9日に報じた。それによると、キムは両国の包括的戦略パートナーシップ条約に基づく義務履行への強い意思を示し、軍事・政治協力をさらに深化させる姿勢を強調した。
キムは祝電の中で、「朝ロ関係を最優先で発展させる」という立場に変化はないと表明した。両国は2024年、プーチン氏の訪朝に合わせて「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結。条約には有事の際の相互軍事支援条項が盛り込まれている。この協定は冷戦後で最も強力な軍事協力体制とされ、北とロシアの接近を象徴するものとなった。
実際に北は、ロシアによるウクライナ侵攻を支援する形で兵力や武器を提供してきた。韓国や欧米当局によると、北はロシア西部クルスク州の戦線に1万4000人規模の兵士を派遣したとみられている。これまでに6000人以上の朝鮮兵が戦闘で死亡したとの分析もあり、人的損失は極めて大きい。北は当初、派兵を否定していたが、2025年にはキム自身がロシア支援を公然と認める発言を行っていた。
今回の祝電はロシアがウクライナ侵攻開始以降で最も縮小された形の戦勝記念式典を開くタイミングで送られた。今年の軍事パレードではウクライナ軍による無人機攻撃への警戒から、戦車や大型兵器の展示が大幅に削減され、異例の厳戒態勢となった。政府は安全確保を理由に、防空体制やプーチン氏周辺の警備を強化している。
一方で、ロシアとウクライナは米国の仲介により、5月9~11日までの3日間、停戦に合意した。トランプ(Donald Trump)大統領は8日、停戦成立を歓迎し、1000人規模の捕虜交換も実施されると明らかにした。しかし、双方はこれまでも停戦違反を非難し合っており、恒久的な和平実現の見通しは立っていない。
北とロシアの急接近は東アジアの安全保障環境にも大きな影響を与えている。米国、韓国、日本は北がロシアから軍事・衛星技術の支援を受ける可能性を警戒し、国連安全保障理事会決議違反にあたる武器取引への監視を強めている。一方、ロシア側にとっても、長期化するウクライナ戦争の中で弾薬や兵力を確保できる北との連携は重要性を増している。
キムは近年、中国への依存を相対的に弱める一方で、ロシアとの戦略協力を急速に拡大してきた。今回の祝電は軍事同盟に近い関係へ発展しつつある両国の結束を改めて内外に示す形となった。
と娘のジュエ(KCNA/AP通信).jpg)
