◎金正恩 党総書記は多くの国民が食料の確保に苦しむ中、核・弾道ミサイル開発を推し進めている。
2022年5月9日/北朝鮮の共同農場、稲作農家と監視者たち(Cha Song Ho/AP通信)

朝鮮中央通信社KCNA)によると、朝鮮労働党は農業部門の課題を議論する緊急会議を開く予定だという。

KCNAによると、政治局員は5日の会合で今月下旬に党中央委員会の全体会議を開き、農業に関する戦略の見直しや新しい目標を設定することで合意した。

KCNAは「局員は社会主義の発展を促進するために、農業戦略を確立し、当面の課題に対処することに合意した」と伝えている。

一方、韓国当局は金正恩(Kim Jong Un)党総書記が首都平壌で大規模な軍事パレードを計画している可能性があると指摘している。

韓国軍合同参謀本部の報道官は6日、「でパレードのリハーサルとみられる活動が増加していることを確認している」と述べたが、実施時期には言及しなかった。

報道官によると、朝鮮労働党がひとつの議題を議論するために党大会を開くのは珍しいという。

一部のアナリストは農業部門以外の問題も議論される可能性があると指摘している。

韓国軍の報道官は記者団に対し、「政府は北の食料事情と内部動向を引き続き注視する」と述べた。韓国政府は北の昨年の食料生産量が約4%減少し、450万トンになったと推定している。

キムは多くの国民が食料の確保に苦しむ中、核・弾道ミサイル開発を推し進めている。

韓国の専門家はコロナウイルスが北の経済、特に食料生産に大きな影響を与えたと見ている。国境封鎖は最大の貿易相手国である中国との取引に大打撃を与え、食料不足に拍車をかけたとみられる。

また、2020年には台風と洪水に見舞われ、農作物が壊滅的な被害を受けた。

1994~98年頃に発生した大飢饉による餓死者および栄養不足に関連する病で死亡した市民は200万~350万人と伝えられているが、正確な死亡者数は不明だ。一部の専門家はこの規模の飢饉が発生する可能性は低いとみている。

北朝鮮の情報に特化したウェブサイト「38 North」は先月掲載した記事で、「北の食料難は1990年代の飢饉以来最悪の状態にある可能性が高い」と指摘した。

2022年10月10日に北朝鮮当局が公表した写真、弾道ミサイルの発射実験を監督する金正恩 党総書記(Korean Central News Agency/Korea News Service)
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