◎1994年に死亡した金日成は北朝鮮の「永遠の首席」であり、その遺体は首都近郊の錦繍山(クムスサン)太陽宮殿に安置されている。
2022年4月15日/北朝鮮、首都平壌で開催された金日成主席生誕110年パレード、金正恩 党総書記(朝鮮中央通信/ロイター通信)

北朝鮮の国営メディアは16日、建国者である故金日成 主席の生誕110周年を祝う式典が15日に開催され、金正恩 党総書記も国民と一緒に祖父の生誕を祝ったと報じた

平壌の中央広場では花火、パレード、夜の祝宴などが開催され、カラフルな民族衣装を着た数千人が歌い踊った。

核武装したアジアの問題児キムは通常、「太陽の日」として知られる祖父の誕生日を利用して最新兵器を世界に誇示する。しかし、報道によると、今年は軍事パレードは行われなかった。

キムは3週間前に2017年以来となる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行うなど、ミサイル開発に力を注いでいる。

報道によると、キムは祖父の霊廟を訪れ、平壌の金日成広場で行われた「国民会議と公開パレード」に出席したが、演説は行わなかったようである。

朝鮮中央通信は高官の演説を引用し、「北朝鮮はあらゆる困難を克服し、必ず勝利する」と報じた。

また朝鮮中央通信は式典後に開催されたコンサート、美術展、プロパガンダセミナーに続いて、広場で行われた夜の催しも生中継した。

朝鮮中央通信は、「平壌の中心部では光の祭典が行われ、噴水が踊り、テドン川には装飾を施したボートが浮かんだ」と伝えた。「金日成 主席の生家と革命の聖なる山、白頭山を芸術的に描いた式典は、栄華を極める北朝鮮を象徴するものとなった...」

式典に参加した市民は「平壌が一番」「私たちは世界一幸せだ」と書かれたアーチの前で記念撮影を行った。

平壌で働く医師はAFP通信の取材に対し、「私は娘と一緒に参加しました。本当にかっこいいですね。特に印象的だったのは、この自立という文字です」と語った。

米韓の当局者は式典に合わせて新兵器の公開や核実験を行うという見方を示していたが、朝鮮中央通信は軍事パレードや実験には一切触れなかった。

韓国の専門サイトNKニュースによると、衛星画像の分析から、軍事基地でパレードの訓練が行われ、数千人の兵士が隊列を組んで行進している様子が確認できたという。

またNKニュースは、「プラネットラボ(地球観測衛星データ)の画像では、軍事基地内で重火器を運んだと思われるタイヤの跡も確認できた」と報告している。

専門家は朝鮮人民軍の創設記念日である4月25日に軍事パレードが行われると予想している。

ソウルの北朝鮮研究大学のムジン教授はAFP通信の取材に対し、「生誕祭と軍創設記念日は10日しか離れておらず、両方で軍事パレードを行うことは難しいと判断したのかもしれない」と述べた。

1994年に死亡した金日成は北朝鮮の「永遠の首席」であり、その遺体は首都近郊の錦繍山(クムスサン)太陽宮殿に安置されている。

北朝鮮では生まれた時から金日成とその息子の金正日を敬うよう教育され、すべての成人はどちらか、あるいは両方のバッジをつけている。

金日成と金正日の銅像の前でAFP通信の取材に応じた男性は、「日が経つにつれ、偉大な指導者への憧れが強くなっていく」と語った。

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