◎南北は2000年代初頭、両国の緊張が緩和したことを受け、金剛山周辺で共同ツアー事業を開始した。
2022年3月24日/北朝鮮の某所、大陸間弾道ミサイル火星17と金正恩 党総書記(Korean Central News Agency/Korea News Service/ロイター通信)

韓国政府は12日、北朝鮮が韓国政府所有の山岳ゴルフリゾートを解体していると発表した。

政府によると、北朝鮮当局は金剛山(クムガンサン)に建設された水上ホテルとして知られるヘグムガンホテルのゴルフコースを解体しているという。

北朝鮮の金正恩 党総書記はミサイル試験を繰り返し、先月末には大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星17号をハリウッドスタイルで打ち上げ、西側諸国を威嚇した。

韓国統一部はAP通信の取材に対し、「北朝鮮はゴルフリゾートに加えて、韓国政府所有のホテルも解体している」と説明した。

統一部は先週、北朝鮮がヘグムガンホテルを解体していると発表していた。

統一部は「北朝鮮に韓国政府所有の物件の解体を直ちにやめるよう強く要請する」と述べた。

南北は2000年代初頭、両国の緊張が緩和したことを受け、金剛山周辺で共同ツアー事業を開始した。韓国のメディアによると、このツアーに参加した韓国人は200万人に達し、北朝鮮は多くの外貨を獲得できたという。

しかし、韓国は2008年、女性観光客が現地で北朝鮮兵に射殺されたことを受け、ツアーを中断した。

2018年に関係が改善すると、両国は金剛山の山岳ツアーを含む停滞していた共同ツアー事業の再開に向けた協議を開始した。

しかし、韓国は米国の対北朝鮮制裁を考慮し、ツアー再開を断念した。北朝鮮のキムは2019年、韓国所有の資産を取り壊すよう当局に命じたが、コロナウイルスの感染拡大を考慮し、解体は延期された。

北朝鮮の経済は長引く制裁、コロナ、自然災害、キムの不作為などでひどく低迷しており、比較的豊かな首都平壌でも多くの市民が食料の確保に苦労していると伝えられている。

一部の専門家は最近のミサイル試験について、「金正恩はミサイル技術を完成させれば敵国との交渉を有利に進められると思っている可能性がある」と指摘している。

韓国政府は金剛山のリゾート地内にスパ、カルチャーセンター、免税店、カラオケルーム、朝鮮戦争で離ればなれになった韓国人家族の再会に使われる建物などを所有している。これらの施設が解体されるかどうかは不明。

北朝鮮の国営メディアは12日、週末に金剛山周辺で火災が発生し、不特定の施設と森林数百ヘクタールが焼失したと報じた。火災は10日に鎮火したという。

火災とリゾート地の解体作業の関連は不明。韓国統一部は12日の声明で、火災がリゾート内の施設に影響を与えたかどうかを調査していると述べた。

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